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【トピックス】誰が来てもワクワクできる一大拠点に。株式会社モンテディオフットボールパーク設立。

モンテディオフットボールパーク設立記者会見 会見全文

新会社設立会見に臨む相田健太郎社長。クラブを運営する株式会社モンテディオの社長と兼任となる。現在各所との調整が大詰めということもあり、新情報は多くなかったが、「そんなに遠くないタイミングでお見せできるんじゃないか」と話していた。
なお、会見全文に関しては明日更新する予定。

新スタジアム建設を推進するモンテディオ山形がスタジアム建設や完成後の運営を担う新会社「株式会社モンテディオフットボールパーク」(以下MFP社)を設立し、6月12日に記者会見を行った。

MFP社の社長はモンテディオ山形代表取締役社長の相田健太郎氏。株主は「株式会社モンテディオ山形」「Sol Levante Sports株式会社」「NECキャピタルソリューション株式会社」「株式会社JTB」の4社となる。

モンテディオ山形の新スタジアム建設は、MFP社による民設民営の事業となり、スタジアム建設だけでなく、完成後もMFP社が施設を保有し、運営・管理を行っていく。
利益を生まないコストセンターではなく、利益を生み出すプロフィットセンターとしての運用を目指していくことになる。

モンテディオフットボールパークのロゴ。モンテディオ山形のエンブレムのフォントでも使用されている、奥山清行氏のオリジナルフォントだ。

○公設民営から民設民営への経緯

山形の新スタジアム建設に関しては、過去に公設民営で建設する流れがあった。しかし今後は基本的に自治体の手を借りずに建設・運営を行う民設民営となる。
公設民営と民設民営については、どちらにもメリット・デメリットがあるが、公設については相田社長は「公がこういった物を造ると、ただ箱ができて、利用料を安くしなければならないとか、税金負担が大きくなっていく」とコストセンター化への懸念を示している。少なからず税金が投入されるため、付帯して行う事業にも制限がかかってしまうリスクもある。
民設については、費用面で抱えるリスクが増えるデメリットがあるものの、「運営コストの無駄を省けますし、我々がやっている事業収益の中から運営維持コストに充当することが簡易にできる。事業の自由度が非常に広がりますし、推進のスピードも当然上がる」と、収益の使い方や事業の自由度の高さをメリットに挙げていた。
なお、県や市などの自治体との関わりについては具体的な話はしなかったが、「皆さんそれなりに賛同しているので今の状況にある」として、今後の関わりについての可能性も示している。
基本的に民設民営で推進しながら、何らかの形で各自治体が関わることも想定されるが、相田社長は「公が持っているいいものと、民が持っているいいものを繋ぎ合わせて一つの形にしていくという意味では、非常にメリットが多いやり方を組めているのではないか」と良い関係性を築けていることを強調していた。

○資金調達方法や今後のスケジュールについて。

多くの方が最も気にしているのは資金調達方法や今後の進捗についてだろう。
資金調達方法については現在大詰めの状況のようでこの場では明かさなかったが、「しっかりとお話をさせていただいている」とした。
総工費に関しては昨年10月の段階でおよそ120億円としたものに、数十億円上乗せする形になるという。円安や資材高騰など建造物に対するコストが上がっていることや、改正労働基準法による残業時間を規制する「2024年問題」の影響で人件費が高騰していることがその理由だ。
関連して、建設する工期が伸びるため、完成時期も遅れるという。
25年4月の着工予定に遅れはなさそうだが、27年8月開幕に設定していた開業予定は、「早ければ27-28シーズンのウインターブレイク明け、遅ければ28ー29シーズンの開幕」まで半年ほどずれ込むという。
クラブ側の問題というより社会情勢による遅れが原因で、こればかりはどうしようもないところだ。

○どんなスタジアムにするのか。キーワードは「ワクワク」。

もう一つ気になる、新スタジアムの概要についても「これから図面を全部引いて絵を描いていく段階。おそらく8月、9月ぐらいには皆様の前にお出しすることができるんじゃないのか」としている。どんなスタジアムになるのか、どのような施設が併設されるのかといった新スタジアムの概要はこの時期に明らかになってくるか。
現時点でわかることは、昨年作成された事業計画書をもとに企業から出資を受けているため、その内容をベースとした機能が盛り込まれるのはまず間違いないということだ。
その上で、相田健太郎社長が新スタジアムにイメージしているのは、「ワクワクできるような場所」というものだった。
「サッカーを見る上では、来ていただくお客様がワクワクできるような場所であり、選手がここでプレーしたいと思っていただけるような場所。スタジアムを中心とした場所を作るという意味でも、日常に溶け込めるような、行けば何かがあるようなワクワクした場所にしたい」(相田社長)

会見では北海道北広島市にあるエスコンフィールドとその周辺施設の北海道ボールパークFビレッジの事例が多く挙げられた。相田社長は試合のない日に8,000人ほど観光客がいることや修学旅行生を誘致していることなどを話し、「野球以外の楽しみをたくさん作られている。そういった部分は本当に真似るべきところ」とした。
ただし、一大観光地の北海道と山形県では事情が違うともした上でただの観光地とすることは否定している。「一番重要なのは、この地域に住まわれている方々が、行ってみたいとか、使いたいと思っていただくものを多く作ること。地域にいる方をなるだけ大事に考えたものにしていかなければ施設自体は成り立っていかない」と観光客だけではない地元ファーストの考え方を示していた。
観光客でも地元の方でも、誰が来てもワクワクでき、普段使いもできる拠点が理想となるか。

相田健太郎社長は「スタジアムを造るというよりは、いろんな意味においての大きな拠点を一つ造る」と話しており、モンテディオフットボールパークを年間20試合ほどの稼働しかないサッカースタジアムではなく、日常から人々が集まれる山形県内における一大拠点にしたいとしている。
北海道のエスコンフィールドや今年10月に開業する長崎スタジアムシティなどがそうだが、それぞれの特色を出しながら、競技観戦だけではない楽しみ方を提供するのが次世代型スタジアムアリーナの考え方だ。
モンテディオ山形の新スタジアムもただスタジアムが建つだけでない、これに続く次世代型スタジアムアリーナとなる。
我々の新たな拠点にどういったワクワクが提示されるのか、今後の進展を待ちたい。

文・写真 嶋守生

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