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【トピックス】“モンテディオ山形”という共通言語による、地域への新たなアプローチ 〜U-23マーケティング部 前編・記者会見〜

【質疑応答】

Q:昨年の活動を経験されたうえで、今回のプロジェクトのポイントや、昨年との違いを教えてください。

相田社長「昨年ですね、いいか、悪かはアレなんですが、思いつきで『こういうふうにやってみようか』というところから、高校生のマーケティングですとかをスタートさせていただいたんですが、時間と、やりたいことを叶えてあげるだけの仕組み、いわゆる費用とか、そういったものが十分に準備してあげられなかったのをすごく申し訳ないなと思っていました。なので、年間やることによって、我々も場所だったり、費用だったり、そういったものをご用意することをしながら、本当に学生さんたちが思いついたことを実現できるような体制を通年でやることによって、会社としての覚悟ができるというか、それは前向きな覚悟なんですけれども、そういったような形が取れるので、そこが一番の違いなのかなと感じています」

Q:こんなことを頑張ってみたいという具体的なものがあれば教えてください。

檜野さん「今回、募集概要にはグッズの立案というのも企画の中にあったんですけど、■■■■■■(すみません、聞き取れませんでした)がすごく好きで、それをもし実現できるのであればやりたいなと感じています」

成松さん「具体的な施作はあまり思いついてないんですけど、漠然なビジョンとして、Jクラブとして学生と関わりを持たないと恥ずかしいとか、それぐらいの勢いで学生との関わりをもっともっと山形を通して、Jリーグ全体で関わってもらえれば、すごく僕はうれしいと思います」

猪熊さん「私はこのプロジェクトで、若い人がここまでできるんだというのを知ってもらえることや、それを山形の人たちに応援してもらえたり、このことをきっかけにファンが増えたりしたらうれしいなと思っています」

Q:今回のプロジェクトの最終の形になる目標はどのように考えていますか?

相田社長「正直すごく『ふわっ』とはしているんですけど、僕の理想を語らせていただくと、我々にはスタジアムがある。天童のNDソフトスタジアムというのは、山形市内に住んでいる方だけではなくて、いろんな方から、ちょっと交通の便が悪いとか、その話をよくいただくんですね。じゃあ、何をやったらよくなるのかというのもそうですし、本当に交通の便が悪いのかということも、ひとつ考えなきゃいけないことなのかなと思っていて。

例えばですけども、とは言え、ベガルタ仙台は駅前にスタジアムがありますとは言え、仙台駅周辺ですとか、仙台市内に住んでない方からすると、移動して試合を観にいくのに約1時間かかっているはずなんですね。僕らのスタジアムは山形市から行くのが難しいかというと、奥羽本線に乗って20分で着いて、(さらに)歩いて15分。あまり変わらないんですよ。ただこれというのは、僕は先入観だけだと思っていて、ただ、その行動を起こすための“コト”がないからやらないだけであって、じゃあ、そういうことをやるために何ができるのかなということが、じつは一番シンプルで簡単なことのような気がしています。

たとえば、(山形市)七日町に集合して、みんなで電車で、高校生もそんなに車両が多くないですから、満員電車のように、青と白のユニフォームを着た人で、あの2両編成、3両編成、4両編成なりを満員にしに行こうよということを彼らが「やりましょう」ということだったら、よろこんでお手伝いしたいと思いますし、青白の服でスタジアムまで15分歩いて行って、歩きながらお店で何か食べるのか、買うのか。その歩いていく途中、『つまんないからクラブでもうちょっと盛り立てることはできないんですか? 』となったらそれをどういうふうにするか。試合を観て、酒を飲んだら運転できませんよねと言っても、いやいや、お酒を飲んでも帰れるじゃないですか、ということを、ひょっとしたら伝えることができるかもしれない。負けたにしても勝ったにしても、また電車に乗って山形駅に着いて、『着いて解散』ではつまんないので、せっかくだったら街中でごはんにしようとか、サッカーというコンテンツをひとつ使って街中を回遊するとか、これは山形市だけではなくて、いろんな土地からスタジアに行くということはやろうと思えばできることなんですよね。けっして面倒なことではなくて、ふつうのことなんです。

ただ、山形だとどうしても車乗って動いている方のほうが多いので、それが億劫ですっていう気持ちもよくわかるんですけど、だけど高齢化が進んでいく中で公共交通をみんなが使うようにしないと、公共交通機関を司っている企業の方々も、『売上が上がらないとバスがなくなっちゃいますよ』とか、『電車の本数減りますよ』とか、そういうことが出てくるわけですから、自分たちの土地を住みやすくするためにはそういうことを考えていかなきゃいけないということなんです。そのきっかけがたまたまサッカーでいい。シンプルにそういうことの積み上げを少しずつでも構わないのでみんなでやっていければいいかなとは思います。

ひょっとしたら大変かもしれないですけど、散歩とかですね。朝7時に人がわらわら集まって、霞城公園をみんなで散歩して帰ってくるというだけでもひょっとしたらいいかもしれないですし、それの夕方バージョンを作って、終わったらごはんを食べて帰るとか、ちょっとしたそういう『みんなで何かをする』とかコミュニケーションを取ることで、人と人が話すことで達成するモノだったりコトだったりというのを積み上げていってくれるようになってくれればいいと思います。『ここのQ1の正面のところで毎試合、パブリックビューイングやりたいんですよ』という話があれば、ひょっとしたらそれだってアリなのかもしれない。そんなに難しいことをやる必要はないと思うので、『これできるよね?』ということを積み上げていくことだったりというのが一番大事なような気がします。我々を通じて学生の皆さんたちが、自分のためになることをいろいろ挑戦してくれればいいと思いますので。それは我々にとってプラスになると思いますから、結論はそれでいいのかなというのがいま考えていることです。すみません、長くなってしまいました」

Q:ある程度の準備をしてということですが、お金に関してはどう考えていますか?

相田社長「クラブは当然、出せるものは出さなきゃいけないと思ってます。それはやる準備をしてるんですけど、試合ごとのイベントをいろいろと創るときに、通常、ご協賛いただいたりとかしますよね。考え方はそれに近いと思っていますし、同じようなものだと思っています。本当に彼らがやることがメリットがあり、僕らだけじゃなく、いろんな人にイメージとなって何か刺さると思っていただける企業がいらっしゃれば、『そういうところをぜひ伝えていただけませんか』とお願いに上がることもあると思いますし、それは結論、クラブがやらなければいけないことかもしれませんし、タイミングが合えば学生の方にも一緒に足を運んでもらって一緒に話をしてもらうというのも、ひとつの社会との関わりを持つことで勉強になることだと思いますから、そういう場も作ってもいいのかなとは思っています」

Q:学生さんが何人くらいいらっしゃって、どんな活動を予定しているか、スケジュールを教えてください。

相田社長「いまメンバーが約40名で活動しています。ただ、いろいろお話ししましたように県内外の方がいらっしゃいますので、リアルで参加する場合はここの場所を提供することになりますが、難しい方はリモートで参加してくださいという形にするんですけれども、レギュラーで設定するのは週1回で設定はしています。週に1回、みんなで何かあったら話をしようというのはあります。今日このあと、グルーブを分けてどうことをするかを決めた段階で、どういう動き方をしてみようかとか、何をやりますかということを話をしていますので、いま決めてるのはまだそこまでです」

Q:約40名というのは応募で選んだのですか?

相田社長「そうですね。募集かけさせていただいて、60人を超えるぐらいの方たちに応募いただいたんですね。その中で、僭越ながら話をさせていただく中で、今回ご参加していただいている皆さまにさせていただいたということです」

Q:今後の中で、資料に年に数回、講師の方を招いて勉強会をやられるとか、合宿をするという話もありますが、具体的にこの方を呼んでお話を聞くとか決まっているものはありますか?

相田社長「いま、いくつかの協力会社さんとお話をさせていただいてまして、それは本当にご協力いただくだけじゃなくて、スポンサードしていただいたりということも含めてなんですが、マーケティングというものをリアルにやっていらっしゃる方たちもいますが、そういった方たちをメインに講師として来ていただいたりですとか、ウェブも使いますのでウェブでとか、そんなことをやっていくイメージではいます」

Q:Jリーグのほかのクラブで同様の事例があるんでしょうか? なければ、これは初めてと思っていいんでしょうか?

相田社長「僕が知る限りでは、これはおそらく初めてなんじゃないかなと思っています。なんて言うんでしょう…学校みたいな形で教室に毎週何人集めて一方的に■■■■■■(すみません、聞き取れませんでした)とか、インターンを多く取り込んでとかいうのはやったりもするんでしょうけど、我々はこっちの押し付けで何かをやってほしいわけではないので。みんなで話をしながら進めていくというやり方は、おそらく初めてではないのかなと思っています」

Q;関連で、インターンとは何が違うと考えればいいのでしょうか。

相田社長「インターンシップになると、だいたい決められた時間にこうやって、ああやってという、我々が与えたプログラムをそのままこなしていってもらうというのが通常のインターンシップだと思うんですね。今回はそうではなくて、我々はあくまでもポイントポイントで『こういう考え方もあるよね』とアドバイスはさせていただくと思いますが、強制的に『これをやれ』という話をするつもりはないですから、そこは一番違うんじゃないかなと思います」

Q:先ほども「目標はどこか」という質問があったと思うんですけど、究極的にはチームの試合の観客動員アップというところが一番の目標というところでしょうか。

相田社長「クラブの都合だけで話をしてしまうとそうだと思います。ただ、わざわざ山形市の真ん中にあるこの施設をお借りして、スタジアムの近くでやらないということもひとつ理由があって、それは山形市が抱える問題だったりだとか、別に山形市だけではなく、極端な話、みんなで気が合う人たちで新庄まで行って、新庄駅前ってどうなってるのかを見に行って、じゃあそこを活性化させるにはどうしたらいいだろう、モンテディオ山形というツールを使ったらどう変わるんだろうということを考えることもアリだと思いますし、我々としては、僕らのためだけに何かをしてもらうということは、さっきのご質問にもありましたけど、それは本当にインターンシップがやってたことだと思うんですよね。じゃなくて、僕らを使って何かできることがないかということも、おそらく今後は考えていかなきゃいけないことだと思いますし、これは都市部のクラブではなかなかないと思いますけれども、これは地方のクラブは皆さんそうかもしれませんが、今後、高齢者の人口が増えてきたりだとか、若い人がどんどん流出してしまったりとか、いろんな課題があると思うんですけれども、その中で、ご高齢の方々がもっとアクティブにいられるにはどうしたらいいんだろうとか、ある意味、共通言語になりうるのがスポーツだと思いますし、メディアさんを通じてエンターテイメントの話をしても、おそらく70歳の方が見るものと10歳の方が見るものは全然違うと思うんですよね、ほとんどの方は。でもスポーツに関しては、たとえばワールドカップを皆さんで見て、全然話が噛み合わないなとかないと思いますから。勝ち負けの話とか、この選手すごかったねとか。モンテディオ山形もそういうものだと思うので、そういうものを使いながら地域をどうよくしていくかということを考えいっていただいたほうがいいのかなとは思ってます。その結果、モンテディオを応援しましょうと言っていただいたほうが、僕はなんとなくポジティブに求められるかなと思います」

参加者はおそろいのディーオスリッパ(ルームシューズ)を履いて登場。オフィシャルオンラインショップで購入が可能だ。

Q:参加される3人の方にうかがいたいのですが、今日は皆さん、かわいいスリッパ を履いていらっしゃいますけども、そのスリッパをマーケティング的な観点から見て、感想とか、活かし方とかがあるのか。もしなければ見た目とか履き心地の感想だけでもいいので、お願いします。

相田社長「(マーケティングとの)関連はないと思います(笑)。ここ、人工芝で土足禁止なので、床が冷たいのでこれを履いているので。でもなんだったらそろったものがあるほうがいいかなということで、クラブとしては準備しただけです」

檜野さん「履き心地はすごいモフモフしている感じです。キャラクターのディーオがこっちを向いてるので足を入れることにちょっと抵抗はあったんですが、実際履いてみると履き心地がよくて、すごい気に入りました」

成松さん「本当に皆さん、わからないと思いますが、本当に履き心地がよくて(笑)。マーケティングってそういうところだと思っていて、履いてみないとわかんないとか、サッカーの試合は観てみないとわかんないとか、山形市に来てみないとわからない。そういったところを学んでいければいいかなと思っています」

猪熊さん「思ってた以上に足にフィットしてて、あたたかく履けるし、抱きついてるような感じがするので、キャラクターが好きな方にとってはすごいうれしいグッズになってるのかなという印象を持ちました」

(文責・写真=佐藤円)

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