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【2022 MOM of the year選考会議/vol.01(全9回)】2022シーズンのチーム振り返り、6位でプレーオフ進出の評価は?


進歩は見えたが、やはり締めが…

 どうなんですかね、6位という順位の妥当性は。もう少しいける感じがありました?

  去年のいま頃だと、「J1から4つ落ちてくるのか、厳しいなあ」というところから始まったんですよね。その前のシーズンはチーム内では優勝を狙ったところもあったと思うんですけど、それがうまくいかずに、そこで4つ上から落ちてくるというところで、さらに厳しいシーズンになるだろうなという予想があったなかだった。でも、終わってみれば、「もっとやれたかな」というのはどうしても思ってしまいますけどね。
 勝点をもっと上積みできたなと思うのはデータとしてあるんですけど、時間帯の得失点がめちゃくちゃ終盤に多いんですよね。総失点40のうちの4分の1近くにあたる11失点を76分以降にしていて、そのうちアディショナルタイムの失点も4つと非常に多い。ちなみに、後半全体でいうと26失点。終盤の失点がもったいなかった。パワープレーでやられたり、セットプレーでやられたり。

  イメージ的には、終盤に勝点を取り逃したイメージはありますよね。

 はい、あります。「たら・れば」計算で言うなら、自動昇格争いで勝負ができたんじゃないかという印象はあります。

  難しい問題ですよね。チームのスタイル的なところともたぶん関連すると思うので。リードしたら守備重視で、みたいなスタイルでそもそもやってないところがあるので。そういう勝点の落とし方はレッスン料としてはあると思うんですよね。
 それをやったのが終盤の大分戦(第41節)か。3バックにして。

  あれ1回?
 あれ1回なんですよ。その前まで、追いつかれて引き分けになったとか、最後に失点して負けたとかいうときに監督が言ってたのは、「こちらが先に点を取っておくべきだった」と。守り切るよりも点をもっと取らなきゃいけなかったという括り方でしたね。1-0だったら1-0で終わらせるんじゃなくて、2-0にしましょう、と。その言い方になると、足りなかったのはじつは62得点のほうだった。得点数。これだけ攻撃に出るチームだったら70、80はいかないとダメだよと。

  そこも去年と比べたら進歩したというか。去年はシーズン後半、押し込まれたらパワー不足で、「もう点が取れないだろうなあ」という試合がわりと多かったと思うんですけど、今年は選手交代でちょっとギアを上げることができて、実際、得点も増えていると思うので、去年から今年と考えれば、そこは一歩前進なのかなという感じはありますけどね。カウンター含めて点が取れるからこそ「もう1点」と、あえて守備の人数を増やしたりしないでチャレンジしたということもあると思います。
 去年は61得点・49失点でしたね。得点はちょっと増えて失点が減ってる。勝点68で7位だからなあ。今年は全体的に上位の勝点が低かった。

  去年からの課題ではあると思うんですけど、逆転勝ちが少ない。先制するとめちゃ強いし畳みかける。それだけ得点力のあるチームだから、1点先に取られたら2点返すぐらいはできそうですけど、なかなか0-1になってから点が取れなくなってしまう。相手の守り方、戦い方も関わってくると思うんですけど、昔のガンバとかは2点取られても3点返すとか、そういう戦い方を平気でやれる攻撃力があった。

 そこまでいくぐらいのパワーがあれば。

  得点力はあるのに、0-1だとなんで取れなくなっちゃうんだろうというのがありますね。

 基本的に、うちと対戦するとき、相手が1点取ったら引きますもんね。そこなんじゃないですか?最初から引かれるというのもありますけど、群馬さんのように。逆転勝ちは今年ありました?

  1回あります。

 あ、岩手戦(第34節)だ。岩手のクリスティアーノが退場したじゃないですか。その前に1点取って追いついて、退場のあとに3点取って。その試合だけじゃないですか。ピーターさんのサッカーはそこだもんな。課題としては、あと1点取る。すべての試合であと1点取ると、総得点は100点超えるので(笑)。というぐらいのサッカーをしないと上がれない気がする。

  上がれないし、上がってもボコられて落ちてくるだけ、となるので。

 相田社長はすでに「優勝する」って言っちゃってるから。

  思いとしてはそうなんじゃないですかね。

 そんなところですか? 年間の振り返りは。

  あと、声出し応援。一発目の栃木戦は負けちゃいましたけど、声出し応援が解禁されたぐらいから、チーム側と応援する側の一体感がどんどん出てきた感じがあって、それも終盤の快進撃につながった感じはありましたよね。選手もSNSで声出し応援に関しては感謝するコメントが多かったり。

 逆に言うと、アウェイでプレッシャーを感じるようになったのはその頃じゃないですか? リーグ戦の岡山戦(第35節)とか。シティライトスタジアムは僕もプレーオフで行きましたけど、NDぐらいの規模なんですけど、メインの屋根は全体にかかってるから、それがすごいんですよ。

  ワーッと反響したのがピッチにどう届くかですよね。

 あるんじゃないですか? あのピリピリしたなかで、セットプレーボンボンボンボンで。ロングスローでやられてですからね。

  あれも時期的にはチームのコロナ明けで練習量がどうだったかなという時期だったので、メンバー的には戻ってきましたけど、もう何試合かやってからだと、あのセットプレーのところも隙なくできたのかもしれないし、そのへんはわかんないですけど。

 ホームで言ったら影響はありましたよね。ホーム4連敗してるんでしたっけ? 今年。

  全部無失点で。第22節からですね。ちょうど怪我人も多くて。

 甲府、栃木、熊本、群馬。まあまあきれいにゼロ、ゼロ、ゼロ、ゼロ。

  ここは大変でしたね(笑)。

 このあたりで声出し応援が始まったのに、ということですね。

  始まったのに、点が取れず。アウェイではなんとか引き分けてるのに、みたいな。

 ここで7試合勝ちなしだったのか。そんな波もありました。2つぐらいデカい波がありましたね。その7試合勝ちなしのところと、開幕のところ。デカいのはそこですね。

  ようやくそこを抜けるかなというところでコロナに見舞われて。ノッキングを起こすことが今シーズンは結構多かったですね。

 ここからだ、というときにズコー!(笑) なかなか難しいシーズンでございました。

  それを跳ね除けてでも勝っていって上に立たなきゃいけないわけですからね。

 波がないチームにしなきゃということですね。

  本当に意味で強いチームにならないと、自動昇格はできないと思うので。

 総合力の時代だと思いますからね。攻撃だ、守備だとか言うよりは、チームの総合力で勝たなきゃいけない。

【Vol.02につづく】

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