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【2022 MOM of the year選考会議/vol.01(全9回)】2022シーズンのチーム振り返り、6位でプレーオフ進出の評価は?


スロースタートと離脱者続出、苦難の連続

 ということで、本編に入っていいですか?

  お願いします!

 結果としてはレギュラーシーズン6位、プレーオフ2回戦敗退となりました。円さん、今年1年どんなシーズンでした?

  コロナ禍になって、中断明けで連戦続きのシーズンもありましたけど、それとはまた違ったトラブルに見舞われて、今年は今年でなかなか大変なシーズンだったかなと思います。

 今年、うちの試合が46試合あったんですよ。

  “あの”試合も含めて?

 “あの”試合も含めて。それと天皇杯1試合とプレーオフ2試合含めて、4試合多く戦ったんですよ。そういう意味ではタフなシーズンになったのかなと思って。

  そんなことを言ったら、ルヴァンカップがあった大分、徳島は大変だったと思いますよ。

 確かに。天皇杯勝ち上がって優勝しちゃったところとかね。ただ、うちの場合は試合の延期が2回あったりとか。

  また連戦が増えて。

 そういう意味で、日程変更や連戦に振り回される大変さはあったのかなと。どこのチームもそうですけど、うちもそうでしたね。

  本当にどこのチームも、大変ななかよくやってるなあと思いました。

 逆に、そこの連戦を乗り越えたほうが強かったですよね、新潟とか。

  新潟はキャンプ中にコロナ陽性のクラスターが出て、キャンプ中断というところから始まったところがあったので。でもあきらめずに、そこで堀米悠斗選手も「やる前から諦めてる奴はこのチームには一人もいません」というツイートを見た記憶があるんですけど、その言葉どおり。つまずくと、そこで「もうダメなんじゃないか」と思いがちですけど、じつはそうじゃない。そうじゃなくできる力はある。

 そのあと、ずっと勝ち続けてチームを作っていくところもできましたし、本間至恩が移籍してもしっかりしたチームを作ってきたし。

  高木善朗さんも離脱したし。それでもチーム力はそれほど変わらなかった。

 岡山、熊本、大分、山形。ここらへんはどのチームも色が出ていたというか、傾向としては色のあるチームが強いという印象でした。

  色を出せたからそれなりの順位ということだと思います。下位のチームも色はあって、それを出そうとはしていたと思うんですけど、それが出せたか、出せないかの差はあるのかなと思いますね。

 ピーターさんは2年目でした。去年と比べてサッカー的にどうでした?

  やってることはそんなに変わらないと思うので。それが去年からの選手もいることで、より精度が上がって再現性がさらに高くなったところがあると思います。ただ、シーズン当初につまずいて今年もスロースタートになった。去年からの選手が残っていることはシーズン序盤のアドバンテージになると思ってたんですけど、開幕直後からチームをフィットさせるようなことは難しいサッカーなのかなと思いました。

 結局、個で戦うよりもチームで戦うスタイルだから、大事なピースががひとつかふたつ代わっちゃうと、全体をフィットさせるまでに時間がかかるなという印象です。

  まずはチームの約束事をやるって言ってますからね。それをやったうえで、個性を出すところは出す、そういう順番だと思うので、あのサッカーに慣れている人でないと難しいかなというところでは、開幕当初のメンバーがどうだったのかというところはありました。

 木村誠二、吉田朋恭、(横山)塁、木戸(皓貴)さんとか。

  キャンブの様子からは(藤本)佳希さんでいくのかなと思ったんですけど、皓貴さんでした。

 あとごっちゃんもそうだな。5人変わったところでちょっと難しかったというところはあるかもしれないですね。

  キャンプからやってるとはいえ、思ったとおりにプレーできるまでには時間がかかるかなと。

 開幕戦なんかガチガチでしたもん。2勝目がようやく秋田戦(第9節)。

  秋田戦が、あの岡山戦の直後の試合ですよね。岡山戦も、あの判定がなければ、すごく入りがよかったので、「いつ点を取るかな」と見てたんですけど、そういう試合をああいう壊され方をしてもったいなかったなとは思います。あのまま間接フリーキックだけで試合を進めていたら勝ててたんじゃないかと。

 岡山自体もまだチームができてなかったからね。全然できてなかった。再開試合のタイミングがあれだけあとになっちゃったというのももったいなかったかもしれないです。

  ラクに勝てる試合かなと思ってましたけど、再開試合までに岡山もまとまってきた。

 そんなこんなで、連戦が続くとメンツが変わることもあって、特に前半戦はメンバーに入れ替わりがあるとパフォーマンスが落ちるというのはありましたよね。

  そこを乗り越えれば新潟みたいなメンバーの回し方ができたかもしれないですけど、勝ち始めると結局メンバーが固定されてきた。今年は途中から出る選手の色は昨年以上に出せたと思うんですけど、「先発2チーム分」と考えるとまだ物足りなかったですね。

 あと、なかなか固定されなかったのはフォワードかなという印象なんですけど。藤本さんが怪我しちゃって。

  そのあとですよね。いたんですけどね、9番。

 点は取ったんですよ、9得点ですから。でも9得点じゃあ足りないんですよ。これで15点か20点ぐらい取っていれば誰も文句は言わなかったんでしょうけど。

  余計なひと言を加えるなら、ポストプレーが得意じゃない感じだったので、そこでポイントを作って、展開して、という流れがあるといいんですけど、そこでロストしちゃうのも多くて攻撃が続かなかったのもわりとあったと思うし、クロスから点を取る形がチームとしてありますけど、ニアに入って点を取るタイプではどうやらない。ちょっと待って、相手を動かしておいたなかで、自分の得意なポイントを見つけてという感じだったので、チームのスタイル的にも誰かニアに入っていく人がいればそれはそれで形になったと思うんですけど、そこはいまひとつでした。

 これも余計なひと言かもしれないけど、守備のチェイシングが、というところもあるのかもしれないですよね。今年の山形は前が追ってくれたほうがラインも上げられるし、というところでいけば、トップがもうちょっとスイッチ入れてくれないと。入れたときと入れてないときの違いがデカ過ぎた。

  ストライカーだという意識があると、どうしても余力を残しておきたいというのもあると思うし。

 ピーターさんのサッカーは前線も走らなきゃいけないなというのは、今シーズンは非常に感じたところでした。

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