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【ランダムフォーカス】リベンジ〜栗山直樹選手


リーグ3位の大宮に挑んだJ1参入プレーオフ1回戦は、戦略的なセットプレーからのオウンゴールと、山田キャプテンの折り返しをダイレクトボレーで決めた山岸選手の2点目で2−0と勝利し、徳島との2回戦へと進むことができました。

引き分けの許されない試合での2ゴールで攻撃陣に注目が集まりますが、大宮の強力な外国人フォワードを抑え切った守備陣も本当に見事でした。

とりわけ栗山選手には、シモヴィッチ選手に仕事をさせるものかという並々ならぬ決意があったようです。8月4日に行われたアウェイ大宮戦で、自らのゴールで先制しながらシモヴィッチ選手に2得点を許しました。そのどちらも栗山選手がマークについており、結果的にもこのゲームを落としたとあって、その悔しさは計り知れません。

その大宮戦の後、加賀選手は栗山選手に「お前が個のところで負けている。最後、お前が止めていれば失点していない」と話したそうです。厳しいようですが、裏を返せば、栗山選手が100%の力を出せば抑えられるはずだという、加賀選手らしい叱咤激励だったと思います。

そして屈辱の日から4カ月。栗山選手にとってはまたとないチャンスが巡ってきたわけです。

「シモヴィッチ選手が先発ということで、リベンジするチャンスだと思って強い気持ちを持って臨みました。今年中に借りを返したいなと思っていたので、それができてよかったです」

もちろんシモヴィッチ選手への対応だけでなく、栗山選手は試合を通して危ないところで体を張ってボールに詰め、弾き返していました。その迫力は、攻撃陣にも勢いを与えていたと言えるでしょう。

「今季一番と言ってもいいようなゲームができた」と話す一方で、「今日のことはもう忘れて明日からしっかりトレーニングしたい」と言葉に力を込めた栗山選手。徳島戦でも魂のこもった守備でチームを助けてくれるに違いありません。

文・写真:頼野亜唯子

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