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【ランダムフォーカス】伸びしろ~栗山直樹選手

栃木戦では開始2分にゴールを決めた栗山選手。中村選手のクロスに頭で合わせ、ファーポストをかすめて入る見事な得点は、ゲームの流れを引き寄せる貴重な先制点になりました。栗山選手の得点は26節大宮戦に続いて今季2点目。昨季記したキャリアハイの3得点は目前です。「前半戦1点も取れなかったので責任を感じていた」と言いますが、昇格争いが激化するここからの終盤戦こそ、セットプレーからの得点でチームを助けて欲しいものです。

守りでも3試合連続無失点と安定。加賀選手の復帰の時期と重なりますが、これについて栗山選手は複雑な心境を明かしてくれました。

「(加賀選手が)新潟戦で戻って来てくれた時に、2−0で勝って嬉しかったけれど、正直自分の中で凄く悔しい気持ちがあって素直に喜べなくて。健さん一人にここまでチームの空気を変えられてしまう、自分は何をやっていたんだろうって思うこともあった」

開幕からずっと安定した守備の中心に居続ける栗山選手に、こんな風に思わせてしまう加賀選手の経験の厚みを感じると同時に、「自分がもっともっと健さんのようにチームに影響力のある人間にならなきゃいけない。学ぶことは多い」と引き締め直す栗山選手の伸びしろを伺わせるコメントでした。

ところで、栗山選手といえば昨年一年間で大きく成長した印象が強いですが、加賀選手の評価は少し異なります。

「みんなクリが成長したっていうけど、俺は違うと思う。成長じゃなくてもともとのポテンシャルが試合で出せるようになっただけ。試合に出る機会が増えるとコンディションって上がっていくから、もともとあった能力をみんなに見せられるようになった。あれぐらいはやるでしょう」

とすれば、もしかすると栗山選手の成長のシーズンは今季、なのかもしれません。

文・写真:頼野亜唯子

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