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【ランダムフォーカス】動ける!~中村駿選手

開幕の岐阜戦こそ敗れてしまったものの、横浜FCに2−0、町田に3−0と、複数得点・無失点で連勝。チームはいいムードを保ったまま、いよいよホーム開幕戦です。例年、開幕アウェーの連戦は苦戦する傾向にあり、長いキャンプの疲労もあるのでは……と言われていましたが、今季は岐阜戦も含めて、試合終盤になってもプレスの強度が落ちることはなく、心身の集中力の高さを感じます。

ご存知のように、今季はエルシオフィジカルコーチによる厳しいトレーニングが導入され、キャンプ中もほぼ2部練習。シーズンを長い目で見ればともかく、開幕数試合は疲れが残ってしまうのでは……と少し心配していました。ところが、連勝に貢献した中村選手に聞くと「ピッチで『動ける』という感覚はすごくある」とのこと。選手たちは非常に良いコンディションで開幕を迎えたようです。

「トレーニングであれだけ走っても、足に来る感じはない。その時はきついですけど、疲れが残らない走り。サッカーに近い走りのトレーニングが本当に多いので、試合中も『いいトレーニングができているんだな』と実感するところはあります」

厳しいトレーニングも、試合でその効果が体感できるとなればやりがい倍増。自ら「やらないと!」という気持ちになるのだそうです。

ところで、体脂肪率によって走る時間が変わるローパワートレーニングですが、今週の中村選手は最短の20分で上がっていました。聞けば、キャンプイン時点ではプラス15分の35分間走っていたそうですが、キャンプ中に設定値をクリア。体重も5kgほど落ちました。その効果についても「疲れにくさはある。あとは怪我をしにくくなるかな」と話していました。

ただ、悔しいこともありました。今年の開幕戦は2月24日、中村選手の誕生日でした。当然、先発出場を狙っていたと言います。

「2月が誕生日だと、試合に当たることはまずないですから。でも、キャンプでアピールできなかったということなので、しょうがないですね」

とは言うものの、第2節、第3節はフル出場して勝利に貢献し、手応えは感じている様子。「結果を出し続ければ代わることはないと思う」との言葉からは、勝つことによって監督の信頼を確固たるものにしてみせるという決意が伝わってきました。

日曜日の大宮戦に出場すれば、J2通算100試合出場を達成する中村選手。区切りの試合はもちろん勝利で、そしてできれば自らのゴールで飾って欲しいですね。

文・写真:頼野亜唯子

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