【頼コラム】人生にサッカーが入り込んでしまった人たちの最終節〜小説『ディス・イズ・ザ・デイ』
『ディス・イズ・ザ・デイ』(津村記久子著/朝日新聞出版)は、プロサッカーリーグ2部で戦う22クラブを応援するサポーターたちの、最終節を描いたオムニバス小説である。11の物語で描かれる11のカードで、22クラブ全てのサポーターが登場する。
昇格も降格も関係ないチーム同士の対戦もあれば、降格の危機にあるチームが自動昇格を目指すチームをホームに迎えるカードもある。ただ、試合展開の描写は多くはない。仕事や学校、家族や恋人との日常——さまざまな人生を生きる人たちが、それぞれの最終節のスタンドに座る。地域色豊かなスタグルやマスコットも秀逸で、現実と同様に試合を彩る。大きな事件は起こらない。読後感は、静かで温かい。
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