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【ラストフォーカス】スタンドが湧いた~荒堀謙次選手

9月24日のホーム熊本戦が山形での最後の出場になりました。0−0で進んだ試合の57分、山田拓巳選手との交代で右サイドバックに入ると、なんとか勝利を引き寄せたいという気持ちが伝わって来る熱いプレーを見せてくれました。今、脳裏に蘇るのは、荒堀選手が自身のインターセプトから一気に運んでクロスを入れたシーン。佐藤優平選手がヘッドで合わせたシュートは相手キーパーにキャッチされてしまったのですが、荒堀選手が持ち味を見せて右サイドを駆け上がった時には、スタンドが大いに湧きました。

そうだった、これがボリさんだった。モンテにはこんな武器があったじゃないかーー。5試合連続でドローゲームが続いた後のホーム熊本戦だっただけに、なかなか出場のチャンスを得られていなかった荒堀選手の思いが弾けたようなプレーは、観る人の気持ちをも鼓舞するものだったように思います。

けれども、残念ながら試合は89分に痛恨の失点を喫して敗れてしまいました。クロスの出どころに寄せきれなかったこともあったのでしょう、試合後の荒堀選手に笑顔はなく「出場時間を通して、悔しいの一言です」と視線を落としました。

あの悔しさを晴らすチャンスが巡ってくることのないままに、山形での2年間を終えることになってしまいましたが、あの悔しい経験をきっと活かして、来季は手強い対戦相手としてNDスタに帰って来てくれると信じています。

文・写真:頼野亜唯子

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