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【ランダムフォーカス】声を震わせて~鈴木雄斗選手


2017シーズン最終節の岐阜戦は雪の降る中での試合となりましたが、石川竜也選手の山形でのラストゲームを勝利で飾ろうという選手たちの熱い気持ちが実り、4−1と快勝しました。石川選手自身も後半早い時間から登場し、最後のモンテブルーを披露してくれました。

試合後の選手たちのコメントには石川選手に対する尊敬と惜別の思いがあふれ、胸を打たれました。鈴木雄斗選手のコメントもその一つでした。

この日2得点の活躍だった鈴木選手は、テレビ取材に指名されてスポンサーボードの前に立ち、ゴールシーンや今季の振り返りなどの質問に答えていました。報道陣からの質問が一区切りして、広報の方が「では他になければ…」とインタビューを締めようとしたところで、鈴木選手が自ら「あ、ちょっとタツさんのことについて、ひとこと言いたいんですけど」と切り出しました。そして、昨年チームが苦しい時に石川選手と交わした会話を明かし、「このチームにいたら、絶対いつかJ1に行けるよ」という石川選手の言葉に込められたモンテディオへの思い、どんなにモンテディオのことを誇りに思っているかをサポーターの皆さんに伝えたいと、一言一言噛みしめるように話しました。

さらに、この日の試合前のロッカーで組まれた円陣では石川選手が声をかけたのだそうですが、「今までで一番、震えるような円陣で」と、こみ上げる思いを抑えつつ、声を震わせました。

モンテディオ山形の夢を引き継ぐ者たちに、たくさんの大きなものを残してくれた石川選手の偉大さと、それをしっかりと受け止めた鈴木選手の寂しさと覚悟を感じたひとこまでした。

文・写真:頼野亜唯子

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