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【トピックス】こぼれる白い歯と消えた「馬」@米沢市立塩井小学校 モンテディオ山形「夢クラス」

5・6年生、50名の大きな拍手に包まれて入場してきたのは中村駿選手と西村竜馬選手の同学年コンビ。日に焼けた肌の色は体育館の壁に同化していたが、その中に白い歯はくっきりと浮かび上がっていた。2人ともやさしい笑顔だった。

「勝ち抜きジャンケン」。西村選手が強過ぎ、後ろで中村選手は手持ち無沙汰?

チームに加入して2ヶ月足らず、西村選手の知られざる特殊能力が発揮されたのはこのあとの「勝ち抜きジャンケン」だった。子どもたちは第1段階、第2段階を勝ち上がったところで西村選手に挑み、そこで勝てば最終段階で中村選手とジャンケン、勝てば「上がり」となる。しかし、2連勝して西村選手のところにたどり着いた子どもたちは、ことごとく敗れてUターンしていった。西村選手、強過ぎる…。

夢について語る中村選手。「好きなことを見つけて、それを楽しんで」と語った。


ここで夢の発表。子どもたちはなりたい夢とそのために何が必要かを調べて文章にし、それを事前にモンテディオ側に渡していた。その中から、この場で発表する4人が選ばれるが、誰が発表するかは事前に知らされず、その場で結果が知らされた。選ばれたのは、「薬剤師」「料理人」「スポーツ栄養士」「美容師」をめざす4人。「スポーツ栄養士」をめざすという女子児童は「コミュニケーション能力が必要。英語も学びたい」と自分で調べただけあって、今後の目標を具体的に視野に入れていた。

西村選手は「友達に絶対負けねぇ、勝ってやろうという強い気持ちを持って」と呼びかけた。


この発表を受けて、ゲストティーチャーの2人も夢についてのスピーチを行った。中村選手は「好きなことを見つけて、それを楽しく続けてほしいなと思います。楽しんで、最後まで諦めずにやってほしいと思います」と話し、西村選手は「たかあき君には絶対負けねぇとずっと思ってた」とライバルだった友人の名前を挙げ、「友達に絶対負けねぇ、勝ってやろうという強い気持ちを持ってほしいと思います」と結んだ。

その後の質問コーナーでは、「50メートルを何秒で走りますか?」の質問に、中村選手が「一緒に走る?」と急遽、中村選手、西村選手と男子児童2人の約20メートル競走が実現。西村選手は「フライング禁止だよ」と子どもを盛んに牽制してスタートに出遅れた一方、中村選手は本気走りで違いを見せつけるなど、キャラクターが垣間見えた。

リフティングは最後に目標の10回を達成し、みんなでハイタッチをしてよろこび合った。


約1時間、2人は終始笑顔。白い歯が印象的だった。

「夢クラス」もあっという間に終わりの時間にに近づいていたが、集合写真の撮影が終わったあと、中村選手がウェルカムボードの前で子どもたちと何か話していた。じつは書かれていた自分の名前が「駿」ではなく「俊」になっていたのだ。中村選手、かなり早い段階でこのことに気づいていたが、途中で指摘するのを遠慮していたようだ。それを知った男子児童が早速「俊」の字を消し、正しい字を書き入れようとすると、中村選手は書き方をやさしく教えていた。

ちなみに、同じ「馬」でも西村選手の竜「馬」はしっかりと書かれていた。

(文・写真=佐藤 円)

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