【荻原拓也 単独インタビュー】海外挑戦での挫折、レッズ復帰、盟友・長倉幹樹の加入。今の想いを語る
今シーズン、ディナモ・ザグレブへのレンタル移籍から復帰した荻原拓也選手。海外挑戦での手応え、挫折。レッズ復帰で改めて成し遂げたいこと。盟友・長倉幹樹のレッズ加入への想い。荻原選手らしいまっすぐな思いを語ってくれた。(Interview by 河合貴子)
――改めて、どういう思いで海外挑戦してディナモ・ザグレブに移籍したのか
海外で価値を示して、より高いところにステップアップして、そこから自分がこのチームを変えられるという自信を持って帰ってくるというところまで想定していたんですけど、それとは全然、違う今のシチュエーションが待っていて、すごく難しいんですけど、当時、行った時の気持ちは、それが一番強かったですね。
――海外でチャレンジして、いろんなスキルを身につけてステップアップして、それを浦和に帰ってきて還元して、チームを勝たせる。引っ張っていくような存在になるというイメージだったのか
そうですね。ただ、あっちで、すごい刺激の中でやることで、本当に人間として大きく成長できて、レンタル移籍という形でしたけど、本当にここでやっていきたいと思いながら両足を突っ込んでやってきた。浦和レッズの愛は変わらずでしたし、京都に行った時も、新潟に行った時もそうだし、それは同じスタンスで自分は歩んでいきました。ザグレブでは、本当に最高のシーズンを過ごせた。もちろんもう少し試合に出たかったのもありますけど、逆足の足首の怪我を引きずって、かなり難しいシーズンを送りながらも、めちゃくちゃいい試合ができた。ファーストシーズンから、次のシーズンも試合に出ることができたので、そこはだいぶ良かったと思います。
――チャンピオンズリーグも経験しました
6試合中の3試合だったので、もっと試合に出たかったと思っていましたけど、スタートから長い時間に出られたので、すごい良かった。チャンピオンズリーグの予選は、クラブにとって今年一番大事な試合だと言われていて、チャンピオンズリーグに出ることがクラブの経営に一番大きな部分だったので、本選に絶対に出なくちゃいけないみたいな緊張感がある中で、ファーストレグもセカンドレグも出ていて、しっかり結果を残すことが出来ました。
――海外でのプレーでは、球際とかパスのスピードとか、いろんな部分を含めて、ここにはないものが向こうにはあったと思うが
全く違うし、スピード感も含めて、本当に違いすぎる。比べること自体がナンセンスかなと思うくらい違うと思う。それはJリーグがダメで、海外がすごい良いというわけじゃなくて、全然、違うものっていう認識だという意味で言っているんですけど、逆に、改めて日本のリーグの凄さもあっちに行って、より感じたし、日本人として誇りを持って海外でプレーをしていた。日本のリーグも海外の選手とかは、すごい興味を持っていたし、日本人はクオリティがあるよねっていう認識だったので、そこは自分ごとだけじゃない感じがあって、日本人として見せなくちゃいけないみたいな気持ちがあったので良かったです。すごく難しいリーグだったんですけど、クラブ自体は海外に行って、より分かったんですけど、めちゃくちゃいいクラブで、ただチャンピオンズリーグに出るだけじゃなくて、本当にクラブに歴史があって、力があるチームだったので、すごい良かったと思います。
――向こうで一番得た経験っていうのは
皆さんによく言われるのは、自分がゴールを決めた、チャンピオンズリーグのバイエルン・ミュンヘンとの試合。ちょっと言葉では、言い合わせないくらいの大きな経験をしましたけど、あの時は、監督が変わってノーチャンスだなと思いながらやっていって、そこでチャンスを掴んで、チャンピオンズリーグに勝利に貢献できたことが、自分の中で大きな結果で、自信につながる試合でした。
――ただ自分が理想として描いてきた形とはちょっと違うような形で1年間過ごした中で戻ってこなきゃいけなかったところは、どのように捉えているのか。もっともっと向こうでやりたかったのは、正直、本音だと思うが
本音ベースで言うとそうですね。チームもそのように送り出してくれたし、その中で全部が全部テーブルに乗っかったとしても、例えばディナモが乗っかっても、浦和が乗っかっても、他のチームが乗っかったとしても全部が100%の答えがなかったのは正直あって、その中で怪我をしてしまった。本当に最後の怪我はタイミングが最悪だなと思ったし、過去で一番の大きな挫折だったかもしれない。それはなぜかと言ったら、自分ができる。あっちでやれるという感覚があって、そこでの評価もあったにも関わらず、怪我でサッカーができない状況になって、もどかしさとか悔しさがあった。いろんな条件が重なって、最後の1ヶ月は自分の去就の問題もあり、複雑な心境とともに時間が進んできました。その挫折はかなり大きかったです。通用しなかった方が良くて、それよりもいけるという感覚だったり、やれるという景色を見たりして、その中で試合に出られない時の方がしんどかった。それが最後の局面であったので、今回は一つの挫折だった。ただ、今は、めちゃくちゃポジティブです。そもそも浦和レッズに帰ることは思い描けていたし、それは会見でも言っていたんですけど、日本がもう一回トップオブトップに行くために、日本代表に入るために、五大リーグでプレーするためにというプロセスの一つで、またもう一回帰ってくるまでのイメージは見えていたので、そこは全力で、今、立っているところでやりたいなと思っているんで、そこの部分での気持ちはクリアになっています。
――そこは迷いもなく、浦和に戻ってきたからには、自分の力を全面的に出して、浦和を引っ張っていく決意があるか
もちろん、今でもチームを変えられると思うし、そこの自信というか、やってきたものは違うと思うので、ちゃんと地に足をつけて自分のやれることは全部やって、いい時間を過ごしたいなと思っています。
――外からみた浦和はどうだったか
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