選手の言葉とのギャップが大きかった試合、監督交代後の過半数が無得点【轡田哲朗レッズレビュー/J第37節 福岡戦】
(Report by 轡田哲朗)
GK牲川も含め、多くの選手がピッチに立つ機会を得た
浦和レッズは11月30日にアビスパ福岡とアウェーで対戦して0-1で敗れた。すでに残り2試合のテーマは来季に向けたものということが明言されている。普段より勝敗に対する比重よりもそのような「来季へ向けた」という視点が強まるのは自然だし、そうあるべきだろう。放っておいても目の前に試合があって負けていいと思ってプレーする選手はいないし、大事なのはテーマがある程度ハッキリしていることだ。
浦和はマチェイ・スコルジャ監督が宣言していたように、少し出場機会を失いつつあった選手にチャンスを与える形になった。牲川歩見や佐藤瑶大、前田直輝、小泉佳穂といった選手たちに加え、長沼洋一もファーストチョイスの時期を過ごしてきたわけではないし、原口元気も自身が勝負したいという前線の一角でプレータイムを得た。また、途中出場でも武田英寿と本間至恩、二田理央がプレーできて、興梠慎三もピッチに立った。それは、福岡の長谷部茂利監督が「試合勘のない選手が両チームに1人、2人いたような感じもあった」と話した側面も生んだだろうけど、マチェイさんはもとより「選手は公式戦でプレーする姿で見たい」と話すようなタイプなので、先ほど名前を挙げた選手に関しては昨季に長い時間を見ている小泉と引退が決まっている興梠以外の選手にとっては、トライアルになった部分もあるのかもしれない。
ちょっと目を引いたのは中盤の中央の構成で、サミュエル・グスタフソンを登録メンバーから外したのと渡邊凌磨をボランチ起用したこと。後ほど話に出てくるけれども、小泉がトップ下から降りてきて渡邊が前線に出ていくパターンは用意されたものだったということは明らかにされている。1つの指標として小泉のシュートは0本だが渡邊が3本シュートを打っていて、1本はペナルティーエリア内まで走り込んだ現実的な場面ということからも、それはピッチ上の形として残った。その良し悪しやどう感じるかは別のものとして。
狙いとしていた前後の入れ替わりから得たチャンス
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