【ヘグモからスコルジャへ】理想追った前進戦略から撤退も、反逆姿勢で狙うボール、ゴール、勝利の奪取設計【プレミアムコンテンツ/ノーミルク佐藤のデータ分析で見るヘグモ式 熟練度数】
プレミアムコーナー、浦レポ×MILKサッカーアカデミー「データ分析で見るヘグモ式 熟練度数」。大人気YOUTUBEチャンネル「MILKサッカーアカデミー」のノーミルク佐藤氏がサッカーデータマンとしてデータ分析で、ヘグモサッカーの熟練度を毎月、数値化してレポートします。
(Report by ノーミルク佐藤)
まず最初に、「解任」という形でマティアス・ヘグモ氏と浦和レッズの取り組みが終焉を迎えてしまったことは非常に残念でした。私個人としても、大きな期待をもって昨年の秋口にミルアカのYouTubeで戦術動画を公開し、浦和サポーターの皆さんからも非常に大きな期待の声を聞いていたため、大きな衝撃を受けました。今季開幕直後から、なかなか調子の上がらない姿やひとつひとつ解決策を模索していく姿、日本という土地やリーグを少しずつ理解していく姿に大きな興味・関心をいだいたほどです。お会いする機会もありませんでしたが、ヘグモさんの取り組みに感銘を受け、私自身のサッカー観をアップデートしていただいたと感じるほどでした。
サッカーという競技は非常に複雑で、勝利チームが必ずしも内容を伴わずに勝利することもあれば、逆に敗戦したチームの方が内容もデータも残すものの、ぽろっと負けてしまうこともあるほどです。しかし今季の浦和、特に中断期間を含めた直近約3ヶ月の期間の中でいえば、6月下旬の20節名古屋戦、21節磐田戦の2試合以外で勝利がなかったことや、ヘグモ氏が率いた27節鹿島戦まで(リードはしているものの90分完遂していない28節川崎戦は割愛)に、今季現状のTOP5(広島、町田、神戸、鹿島、G大阪)への勝利がなかった点も、既に来季を見据えた上での人事になったのだろうと感じました。
ヘグモさんの取り組みに関して書かせていただくのは、これがきっと最後です。そのため順を追っていきましょう。「ヘグモ解任」は「浦和レッズだけの問題ではない」という観点を併せ持つことが重要です。改めて招聘の意図から、前半戦の戦い、夏場の状況、スコルジャ再招聘の流れでプロセスを再確認しましょう。浦和サポさんが多く見るメディアであることは重々承知です。ですが、浦和のみならず、Jリーグ各クラブが考えるべき事象でしょう。本件は、欧州サッカーから端を発された事象かつ日本サッカー界、各Jリーグクラブが今後成長できるかどうかまで関わってくる内容だと思います。
①浦和だけではない戦術トレンド構造上の問題点
前スコルジャ体制下の「超堅守だが前進が課題」の状況からの転換として、「前進性を伴う保持下の取り組み」に強みを持つヘグモ氏にチームを任せる判断を下したことは浦和というクラブのみならず、日本サッカー界が陥っていた戦術トレンド上の閉塞感を打破する点でも大きな期待を抱かせるものだった。
どういうことか。
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