浦レポ by 浦和フットボール通信

アベレージと瀬戸際は少し違うもの 素直なだけでないチームに【轡田哲朗レッズレビュー/J第22節湘南戦】

(Report by 轡田哲朗)

典型的なウイングが1人もいない、編成のウリが消えていた感はある

浦和レッズは7月6日の湘南ベルマーレ戦に2-3で敗れた。当日は浦和駒場スタジアムで18時30分のキックオフ予定だったが、16時過ぎからさいたま市内は局地的に雷を伴う強い雨が降って、特にスタジアム周辺は17時30分ごろから強烈な土砂降りだった。そのため、30分遅れのキックオフで始まるゲームになった。ただ、そんな状況の中でも18時15分ごろ始まったウォーミングアップからピッチは水たまりもなくボールの動きが速くなるだけで普通に試合ができた。まず、このピッチ状態は素晴らしいものとして称えられるべきだと思う。

浦和はジュビロ磐田戦から比較するとオラ・ソルバッケンが期限付き移籍期間の満了により退団して、そこに負傷から復帰できた選手がいなかったことから武田英寿を右に回してエカニット・パンヤを左のウイングに配置することになった。前田直輝はベンチに戻っていたが、スタートから配置するには至らなかった。今季、ペア・マティアス・ヘグモ監督を招聘してセールスポイントにもしようとしていたサイドアタッカーの良さを生かそうという点で言うと、純粋なウイングプレーヤーが誰もいない、どちらかと言えばインサイドに近いところでプレーする選手しかいないチーム編成になったことは難しいものになった。例えば武田パートタイマーのようにサイドに出て素晴らしいクロスを上げることはできるけれども、それはサイドバックとの関係性があってこその選手だと言える面があるし、エカニットもアイソレーション(意図的な孤立状態)からボールを渡されて「はい、何か見せてください」とされてもちょっと厳しさがあったのも事実であり、そのような長所の持ち主にはあまり思えない。

だからといって、この試合をリーグ戦の勝ち点が関係ない試合にできるわけでもないのだけど、メンバー発表の時点で負傷者が多い、あるいは復帰途上で間に合っていない選手があまりにも多いことのしんどさを「これは厳しいな」と感じた方も多かったのではないだろうか。

湘南は前線の構成や中盤の配置などを少し模索していた時期もあったように聞くが、3月の対戦と同様にアンカーとインサイドハーフを作った3-5-2システムという趣だった。彼らも順位表が指し示すように上手くいっているとは言い難い戦績の中で迎えたアウェーゲームだった。

ハマらないなら一度ブロックを組むという選択が欲しい

スタートの時点から、浦和は少し準備段階で後手を踏んだのかもしれないという感はあった。もちろん、ヘグモさんは「4-4-2をスタートポジションにした守備はオプションとして加えてうまくいっている」と話していたように、2連勝した試合の流れを尊重した話もしていたので、そこから始めるのは自然なことだろう。ただ、元から3バックかつアンカーを置く湘南に対してどのように追い込むのか、あるいはどこまでを受け入れるのかという点でいくと、「ハマってないのに強引に追った」感は否めなかった。

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