浦レポ by 浦和フットボール通信

内舘秀樹アカデミーダイレクターロングインタビュー(前編)「アカデミーを良くしたいと受けた 将来の夢は『浦和レッズ大学』」(無料公開)

地元浦和出身で、浦和北高校から仙台大学を経て、1996年に浦和レッズに加入。現役時代は守備的ミッドフィールダーとして活躍した内舘秀樹氏。引退後は浦和レッズアカデミーでのコーチを務めて、昨年から浦和レッズのアカデミーダイレクターに就任した。その内舘氏に、浦和レッズアカデミーの現状、そしてアカデミーとして目指すべき未来、夢についてお話を訊いた。
(interview by 河合貴子)

「浦和レッズを良くしたい」とアカデミーダイレクターに就任

――昨年から浦和レッズのアカデミーダイレクターに就任しましたが、どういった思いでこの職に就いたのか、教えてください。

まずは率直に、アカデミーを良くしたい、浦和レッズを良くしたいという思いが一番強いですね。それまでは指導者として子供たちと関わる中で「アカデミーもアジアナンバー1に」と言っていましたが、なかなか色々な部分が変わっていかないと感じていました。アカデミーダイレクターの話をいただいた時、現場ではなく、クラブにもっと関わる立場からアカデミーを良くしていきたいと思いました。指導者は子どもたちと常に携わり、成長を間近で見られるので楽しいですが、指導者からこの立場に変わった時には覚悟が必要だと感じました。指導したいと思う時もありますが、今はこの職務をしっかりと遂行したいと思っています。

――アカデミーダイレクターになる前は、監督として実際に子どもたちを指導し、トップチームに送り込む実績がありましたが、どのように関わってきたのでしょうか。

レッズには中学生年代のジュニアユースと高校生年代のユースしかなかったのですが、小学生年代のジュニアを立ち上げようという話が出た時、自分は元々浦和出身で、浦和の少年団とも繋がりがあったため、一緒にジュニアを立ち上げてくれないかという依頼を受け、アカデミーに関わるようになりました。

――アカデミーダイレクターとして具体的にどんな活動をしているのでしょうか。

まずはコーチ陣やスタッフが生き生きと仕事ができる環境づくりですね。今年の育成のテーマとして、コーチたちにも『刺激』を与えようという話をしました。選手たちに刺激を与えるのはもちろんですが、指導者にも刺激を与えたいと考えています。アカデミーダイレクターの仕事はスケジュール管理や海外遠征の取り組み、Jリーグ内のダイレクター会議などを通じて、クラブがJリーグの取り組みに応じた環境を整えることも含まれます。

――アカデミーの重要な役割として、育成組織からトップチームに選手を送り込むことがありますが、その点についてどう考えていますか。

もちろん、ミッションとしてはトップチームに選手を輩出すること、世界に羽ばたく選手を育てること、人間性や人間力を高めることの二つを軸にしています。育成組織から多くの選手を輩出することは大きな仕事だと思っています。

――アカデミーセンターは2002年の犬飼元代表の時に出来て、あの当時は村松さんが一生懸命、色々と忙しく動いていたことが印象に残っています。その次の藤口さんが社長になられた時に、就任会見で「育成なくして強化なし」と話した。それは本当に大事なことなんじゃないのかなと思いました。

おそらく、当時、犬飼さんは育成から選手を育てていくという思いが強かったんでしょうね。

将来の夢は「浦和レッズ大学」の設立

――現在の課題として、高校卒業してプロになった選手がなかなか活躍できる場が少ないことがありますね。

そうです。18歳から22歳くらいの年代の選手が活躍する場がもっと必要です。海外ではセカンドチームを所有するクラブが多く、そこでリーグ戦に出場して成長できますが、18歳でトップチームに上がることができても浦和レッズでは試合出場の機会が少ないです。大学経由でプロを目指す道もありますが、もっと選手が育つ環境を整える必要があります。堀之内SDとなって、色々と話し合いながら進めていますが、現状の課題だと感じています。

――昔はサテライトリーグがあり、トップチームに絡めない選手やケガから復帰する選手が試合に出場していましたね。

そうですね。昔はサテライトリーグがあり、試合出場の少ない若手選手には大事な試合でした。私もサテライトリーグでよくプレーしていました。トップ選手として早く上でプレーしたいという思いがあったので、サテライトで活躍して上に行きたいと思っていました。

――その経験を生かして、どういう組織作りをしていきたいと思っていますか。また、何が足りなくて、どう改善すべきだと考えていますか。

トップはトップの仕事があるので難しい部分もありますが、トップとの関わりをもう少し持たせてもらえるとありがたいです。例えば、定期的にトップの練習に何人か参加させてもらうとか、トップの監督にもアカデミーの選手を見てもらい、選手の存在を認識してもらうことができれば、選手のモチベーションが上がります。堀之内SDと一緒にそのような話をしています。

――ユースの選手がプリンスリーグだけでなく、試合をする場があると良いですね。

18歳で卒業後、大学に進学する選択肢もありますが、もう少し選手を囲える環境があれば良いと思います。しかし、そのための具体的な答えがまだ出ていません。

――他クラブだと大学との連携などもありますが

現在の状況では、トップに上がるかどうか迷っている選手たちが大学に進学したり、他のJ2クラブに引っ張られたりしています。理想としては、あと3年、4年をしっかり囲って見られる場所があれば、選手が成長してトップに戻ってくることができるので、そのような環境があると良いですね。

――浦和レッズ大学のようなものがあると理想的ですね。

学校が作れるのがベストですね(笑)。

――資格を取るなど、いろいろな勉強もできると夢が広がりますね。

そういうものがあれば、トップに上がれなくてもサッカーに関われるようなことができ、浦和レッズのコミュニティが広がっていくと思います。また、アカデミーでのフィールドテストのデータを研究材料に使えたりもするでしょう。そのような環境を作りたいと思っています。

内舘秀樹アカデミーダイレクターロングインタビュー「アカデミーもアジアナンバーワンになるために環境、設備も整備する必要がある 松井大輔さんは新たな刺激に」【プレミア記事】

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