結果の欲しかったゲームに敗戦、交代の厚みで劣った事実は苦い【轡田哲朗レッズレビュー/J第16節 町田戦】
(Report by 轡田哲朗)
苦しい台所事情と交代策も「無い袖は振れない」
浦和レッズは5月26日のFC町田ゼルビア戦を1-2で敗戦した。首位の相手との対戦だっただけに、この敗戦は重いものになってしまった。今季はすでにカップ戦が残っていなくてリーグ戦のみのシーズンなので、第16節のゲームまで終えた今は22試合を残すのみとなる。昨季に60試合を戦った日程に当てはめると、9月2日の試合が終わった時点と同じということになる。実際にこのようにしてみて3カ月以上違う事実に驚きしかないが、それだけ1試合に対して集中すべきシーズンになっていると言える。
この試合に向けてペア・マティアス・ヘグモ監督が懸念していた中島翔哉は間に合わず、オラ・ソルバッケンを90分持たないことは承知でスタメンに送り込むことになった。中盤ではサミュエル・グスタフソンはベンチスタートまでで、岩尾憲をアンカーに送り込んで安居海渡はインサイドハーフだった。後で触れるけれども、岩尾は最終ラインに極力降りることなくボールを前進させる姿勢をプレーで見せていて、それはチーム全体の流れとして22日のルヴァン杯V・ファーレン長崎戦からは改善された部分だった。
ウイングに有効な交代選手がベンチにいないことは、この試合を通して1つ大きなポイントになった。ヘグモさんは試合後会見で欠場した選手について触れざるを得ない流れになったが、この部分では交代選手が最後にPKを獲得した町田との差が出た面もある。武田英寿は右サイドでポイントになれたけれども、左右のどちらからも突破力を武器にするタイプがいなくなったのは厳しいところだった。確かに交代によってチームの機能性が減退した側面はあったけれども、「無い袖は振れない」が実際のところ。ソルバッケンを交代させるとなった時に代案を見つけるのは難しく、首位にいると同時にJ2からの昇格組であるのも事実の町田に対して選手層で劣る状態になっていたことはとても複雑な思いがある。その理由が特定ポジションに偏った負傷離脱であるにしても、今季の「ウリ」とでも見るべき部分でもあっただけに厳しい。
最終ラインからの前進はかなりの改善が見られている
大きく試合を捉えた時に、立ち上がりの5分くらいで連続してコーナーキックのピンチがあったところをしのいでからは少し最終ラインで探るようにボールを持つことが多くなった。センターバック、サイドバック、アンカーの岩尾くらいのところでリターンパスも多用している状態は見ている側でストレスを感じた人もいるも知れないが、相手の守備隊形と同時に誰がどこまで寄せてきて、1つズラした時にどんなリアクションをするのかという守り方の部分を把握するという意味では必要な時間に感じられた。それを短縮していけるのに越したことはないが、その後の時間帯につながるものをどれだけ見せられたかという点で言うと悪いものではなかった。
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