浦レポ by 浦和フットボール通信

試合の分け目は先に決めたかどうか 良いところも課題も出た開幕戦【轡田哲朗レッズレビュー/J第1節広島戦】

(Report by 轡田哲朗)

厳しいゲームは予想されたもの、ソルバッケンは間に合わず

浦和レッズは2月23日に今季のリーグ開幕戦でサンフレッチェ広島とアウェーで対戦し、0-2の敗戦で終えた。昨季の3位と4位の対戦であるし、広島の新スタジアム、浦和がオフにペア・マティアス・ヘグモ監督への交代もありながら多くの選手を加えたこと、そして1試合だけ早い時間帯のキックオフと、注目を集める要素がいくつもあった中での敗戦になってしまったのは周囲をざわつかせるかもしれないが、相手を見ても状況からも今季のリーグ戦38試合の中で勝ち点3を取るのが難しい方から数えて片手の中に入るようなアウェーゲームだったとは思う。

最後の公開練習でも完全に別メニューだったオラ・ソルバッケンは試合の登録メンバーから外れ、ウイングの選択は右に松尾佑介、左に関根貴大だった。ソルバッケンが入らなかったこともあって、ベンチメンバーには中島翔哉と大畑歩夢のインサイドハーフとサイドバックの両方を入れる形になった。また、チアゴ・サンタナと伊藤敦樹の状態が100%じゃないことをヘグモさんは試合後の会見で話していたが、岩尾憲の起用法なんかも含めてこの辺のところは後で触れたいと思う。広島は、攻撃時は3-4-2-1のようになるが、浦和ボールの時は基本的にマンツーマン型で合わせてきて、撤退する時は5-4-1のような感じのやり方だった。

松尾から関根の決定機は、典型的なこの試合の構図だった

大雑把に言うと、浦和は広島の前プレスにはきちんと苦しんで、何らかの形で前にボールを進められた時は広島にマンツーマンのリスクを背負わせることができる場面があった。チームの戦術や完成度などピッチ上の内容を度外視して、この試合で勝ち点3、あるいは勝ち点1を持ち帰ることができるかという観点で見ると前半のゴールに近づいた場面で先に点を取れたかどうかの影響が大きかっただろう。また、後半はヘグモさん自身が「うまくいかなかった」と話し、酒井宏樹なんかも「自分たちから相手にハマりにいった」という言い方もした後ろからショートパスを増やしたことが悪い方に出た感はある。

(残り 4402文字/全文: 5296文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ