浦レポ by 浦和フットボール通信

区切りを迎えたタイミングの難しさ、マチェイさんの言葉から感じること【轡田哲朗レッズレビュー/J第33節 福岡戦】

(Report by 轡田哲朗)

ダブルボランチの選択は安居と柴戸の組み合わせ

浦和レッズは11月25日にリーグ第33節でアビスパ福岡とホームで戦い、2-3で敗れた。リーグ戦はこれがホーム最終戦で、前節で優勝の可能性が消滅した後に3位を目標に切り替えたが、引き分けもまずまず最終節に良い可能性を残せるところで負けてしまったため勝ち点で4位に落ちてしまった。マチェイ・スコルジャ監督の今季限りでの退任が発表され、私を含めたメディアが参加した23日のオンライン会見ではどうしてもその話題のボリュームが大きくなったので、それも余計にこの試合が何か一区切りしたあとの1試合目という感覚を与えやすかったかもしれない。

岩尾憲の出場停止、伊藤敦樹が負傷を抱えていることで柴戸海と安居海渡がダブルボランチを組んだ。また、火曜日の時点で別メニュー調整だった荻原拓也を含むサイドバックのところでは、以前にあった関根貴大を右サイドに起用する形を取って明本考浩を左に配置した。明本がAFCチャンピオンズリーグ(ACL)で出場停止なのは別にして、リーグ最終戦やクラブW杯をこの形で戦うことも考えられるだろう。また、中島翔哉がトップ下に入っていた。

福岡はルヴァン杯の決勝とある程度まで同じような感じで、シャドーの一角に金森が入って前はボランチだった。これは浦和にとっての早川隼平と同じような感じで、U-21世代の選手をスタメン起用するレギュレーションがあるかどうかの違いだろう。金森の立ち位置は決勝で取っていた彼らのシャドーとは少し違ったのだけど、それはちょっと前半に影響した。

まずまず良い形で動いた30分間ほど

岩尾と伊藤が不在であること、どちらかというと岩尾がいないことは後ろからボールを運ぶ部分で違う面を出した。柴戸と安居からはなるべくダブルボランチのラインを維持しようというトライは見えたし、金森がアレクサンダー・ショルツまで出ていく回数が少なかったので自然とそうなったところもあるかもしれない。それは福岡の長谷部監督がルヴァン杯の決勝を踏まえて、右サイドで高い位置を取る浦和のサイドハーフにウイングバックが押し込まれやすいので、その手前のエリアに金森を戻しやすいように考えたのかもしれない。あるいは、単に金森が戦前の想定より前に出ていくことを躊躇したのかもしれない。その辺の事情は分からないけれど、少なからず浦和は前半の30分くらいまでは良く回った。それはマチェイさんも会見で触れていた。例えば小泉佳穂から関根に回ってきたような場面なんかは、配置と選手の特性がうまく噛み合った感があったし先制できたのも戦局を有利にした。

そこから追いつかれた場面だと、ちょっと主審の位置が気になったのかもしれないが柴戸がセカンドボールの処理でバウンドさせてしまったこと、地面にボールが触れたにしてもショートバウンドで処理できていれば良かったが、弾んだボールの滞空時間で山岸に背負われてしまったところで難しくなった。この後に失点することを私たちは知っているので、「山岸が次のプレーをできないくらいのファウルをしてイエローカードを受け入れておけば」などと後からは思いつくのだけど、その後処理をリアルタイムで求めるのは難しいかもしれない。ただ安居でなく、あるいは平野佑一でもなく柴戸が対応した場面でこれが発生したことにちょっと残念な思いはあった。

この失点の後に金森がショルツまで出てくる回数が増えて、その時に安居がマリウス・ホイブラーテンとショルツの間に下がって助けようとした結果、山岸にハッキリと捕まえられて福岡のやりやすい形になった時間帯はかなり危険だった。ただ、人数を合わせて寄せられたタイミングでペースを持っていかれるのは、マチェイさんになっての1年だけではなくクラブが体制を大きく変えて仕切りなおした4年前からあまり変わっていない。

福岡の3点目を見ながら色々と考えたこと

後半はあまり場面を切り取って振り返ってくとしんどくなるかもしれないが、マチェイさんが神戸のことを「pragmatic(実用性がある、現実的)なチームだ」と評したことや、「日本では攻撃面で(選手から)多くの指示を求められる」と話したことも頭の中で回転するような部分があった。

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