JFAが浦和レッズの2024年天皇杯参加資格の剥奪を発表
日本サッカー協会は規律委員会で、2024年度天皇杯(天皇杯 JFA 第104回全日本サッカー選手権大会)の参加資格の剥奪、譴責(始末書の提出)の懲罰を浦和レッズに与えることの審議を決定したと発表した。
これまでのような罰金による懲罰ではなく、参加資格の剥奪になった判断理由について「自チームのサポーターに対して試合後においても秩序ある適切な態度を保持するよう努める義務を怠り、2023年8月2日(水)にCSアセット港サッカー場にて行われた本大会4回戦対名古屋グランパス戦の試合において、試合終了から約20分後より、多数(合計70名以上)の対象者のサポーターが暴徒化して以下に掲げる当協会試合運営管理規定に違反する行為に及んだことを防止できなかったほか、本件サポーターらを即刻退去させるなど、観客や選手その他の試合に関わる人の安全を確保するために適切な措置を講じなかった。
これまでにも、対象者のサポーターが引き起こした問題行動による懲罰事案は、Jリーグ及び天皇杯を含めて2000年以降だけでも11件にも上る。サポーターの問題行動が起こるたびに、対象者が、再発防止に向け、様々な取組みを行ってきたことは一定程度評価するものの、残念ながら、そのような取組みにもかかわらず、対象者のサポーターによる問題行動は繰り返され、それらの問題行動は改善を見せるどころか、本件のような集団的に暴徒化するという許されざる暴挙にまで至っている。このような実態を直視すると、対象者による取組みは十分ではなかったといわざるを得ず、対象者にさらなる猛省と実効性のある再発防止策の策定及び実施を促すには、これまでと同様に罰金の処分を重ねたとしても、十分な効果は得られないと考えられる。
さらに、対象者のサポーターによる問題行動に係るJリーグによる直近の懲罰事案(2022年7月)においては、対象者は、罰金2000万円の懲罰を科されるとともに、「対象者が再びサポーターの行為に起因する懲罰事案を発生させた場合、無観客試合の開催又は勝点減といった懲罰を諮問する可能性がある」と強い警告を受けていた。本件はこの警告にもかかわらず発生したものである。
以上を踏まえ、本件がトーナメント制を採用する天皇杯において行われたこと及び対象者が既に本年度の天皇杯を敗退していることを考慮し、当委員会は、対象者に対して、譴責(始末書の提出)に加えて、「2024年度天皇杯(天皇杯 JFA 第104回全日本サッカー選手権大会)の参加資格の剥奪」というこれまでに対象者に科した懲罰よりも重い懲罰を科すことが相当であると判断した」と説明した。