浦レポ by 浦和フットボール通信

4位グループの先頭に認識が変わる結果 チーム編成と内容の両方から【轡田哲朗レッズレビュー/J23節 広島戦】

(Report by 轡田哲朗)

上位3チームの総崩れはそんなに期待できない

浦和レッズは8月13日にリーグ戦23試合目でサンフレッチェ広島と対戦し、1-2で敗戦した。このゲームは勝利しなければ数字の上で優勝争いについていけなくなる崖っぷちだということをプレビューの時に記していたので、それは回収した方がいいと思っている。上2チームと勝ち点9差、3位と勝ち点7差で残り11試合はかなり難しい。1チームだけ王ならともかく、3チームが総崩れしてくれることは期待しづらい。そのあたりは、上位3チームは試合数に対して過半数を勝利している一方で浦和から下のチームはそこに到達していないという観点からも、浦和は4位グループの先頭というニュアンスにあると言わざるを得ないのだろう。

浦和は前回のゲームと違う部分で左サイドハーフに明本孝浩が復帰し、中島翔哉はベンチスタートだった。攻撃陣では興梠慎三と関根貴大が切れるカードになってくるが、彼らはスタメン出場することも多い選手たちだ。広島は5月にきついタックルを受けて負傷した満田が復帰していて、セレッソ大阪から移籍した加藤がスタメン。横浜F・マリノスから加入のマルコス・ジュニオールはさすがにこの試合に加わらなかったが、それでなおドウグラス・ヴィエイラとナッシム・ベンカリファがベンチにいた。エゼキエウが負傷離脱し、森島が名古屋グランパスへ移籍してなおこのメンバーなので、層が厚いという言い方がいいのか、いるメンバーを効率よく試合に絡ませていると言った方がいいのか分からないが、最終的にベンカリファが決勝点を決めたことも含めて試合の行方には影響した。

得点シーンにおける明本の動きをあらためて

このゲームは得点シーンに象徴される明本の2列目起用がとてもいい部分を出したところがあって、すでに多くの話題になっているかもしれないがあらためて振り返ってみたい。マリウス・ホイブラーテンから斜めにフィードが入った時に、ホセ・カンテが受ける間際のところで明本が縦に走り込んだことで荒木が対応せざるを得なくなって、カンテの周りにスペースができた。そこで前を向きなおしたカンテは野津田のプレスバックが間に合う前に強烈なシュートを決めた。マリウスはこのプレーの前まで、同じようにボールが自分まで下げられてきたときはシンプルに西川周作まで下げることが多かったので、それは広島の選手に少し影響したかもしれない。いずれにしても、出し手の余裕があるところで受け手とその近くの選手が反応したことでゴールに近づく形を作ることができた。

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