浦レポ by 浦和フットボール通信

冒険的な起用と頭の痛い前半、解決策を見つける残り時間は短い【轡田哲朗レッズレビュー/J16節鹿島戦】

(Report by 轡田哲朗)

リンセンの起用とダブルボランチの構成が変更点だったが・・・

浦和レッズは6月4日にリーグ戦の15試合目で鹿島アントラーズとホームで対戦して0-0で引き分けた。全体的に言えば前半は鹿島が優勢で後半は浦和が優勢。勝っても引き分けても負けてもおかしくないような試合だったので、アウェーだったら勝ち点1でそこそこ満足すべきとなるが、ホームで戦っていたと考えれば勝利したいゲームだったと言える。

このゲームはマチェイ・スコルジャ監督がブライアン・リンセンを左サイドでスタート起用。ダブルボランチの構成を伊藤敦樹と安居海渡にして、明確なプレーメーカーのいない状態にした。5月31日のサンフレッチェ広島戦で交代後にうまくいった部分をピッチ上に持ち込もうとしたのかなという感もあるが、これは残念ながら清々しいまでに失敗したと言わざるを得ない。

一方の鹿島はスタメンの表記がちょっと難しい感じもあって、佐野が割と前後にフリーロールするのでダイアモンド型の中盤に見える瞬間もあれば、シンプルな4-4-2に見えるタイミングもある。ただ言えるのは、幅を取る担当は基本的にサイドバックがする傾向があるので、全体に中央に多くの人数を割く傾向があったということだろうか。

左サイドにリンセンの理想はどこにあったか

このゲームの振り返りに関しては、前半とリンセンで大体のことを完結させてしまってもいいかなと思っている。というのも、後半は「元に戻した」ニュアンスであって、そこそこ機能するのは予想の範疇だった。逆に言えば、このシステムが本線と予想していたはずの鹿島が意外とそこにうまくアジャストできていなかった印象を残したくらいだった。

そういうことで、いったんマチェイさんがリンセンを左サイドに起用した理由と「こうなることを期待していた」を少し予想してみるところから始めたい。

これまでのゲームから右サイドの機能性が高かったのは間違いなく、アタッキングサードに入っていく回数は右サイドからが多くなる傾向があった。そうなると、最終的にゴール前へとボールが入ってくるのは右サイドからが多くなるが、興梠慎三は割とボールサイドで関わっていることが多い。そうなった時に、逆サイドから飛び込んでくるセカンドストライカーとしてリンセンがいれば確かに強い。明本考浩も押し込んだ状態であればゴール前に間に合うかもしれない。

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