浦レポ by 浦和フットボール通信

劇的勝利で試合後も笑顔あふれる中、興梠慎三は「内容があまり良くない」と険しい表情【試合取材後記 今日のミックスゾーンから】

試合後に選手たちが取材対応をするミックスゾーンでの選手たちの様子をたかねえがお伝えします。(Report by 河合貴子)

劇的勝利で上位対決を制す

Jリーグ制覇に向けて、上位戦線に食らいつくためにもホームで絶対に落とせない試合であった。過酷な7連戦で挑んだサンフレッチェ広島戦を、今シーズンリーグ戦4度目の逆転勝利を収めて1試合未消化の状態で4位へと浮上した。

前半、主導権を握ったのは広島であった。浦和は押し込まれた状態の中で、ロングボールで相手のDFラインを押し下げる展開で、アグレッシブさを感じられない状態であった。試合が動いたのは、後半の立ち上がりの50分だ。川村選手のシュートのこぼれ球を森島選手に押し込まれて失点。しかし、ビハインドを負った浦和のここからの展開が違っていた。

マチェイ・スコルジャ監督は、67分に興梠慎三選手、大久保智明選手、ブライアン・リンセン選手をピッチへと送り込み攻撃を活性化していくと、試合の流れは一気に浦和へと変わった。そして、72分に右サイドに流れた関根貴大選手がしっかりとボールをキープしてペナルティーエリア内に入りこんでいた伊藤敦樹選手へとつなぎ、伊藤選手のトラップから冷静なパスを受けた酒井宏樹選手の身体を投げ出したシュートが決まり同点とした。

この同点弾でさらに勢いを増した浦和は、広島ゴールへと襲い掛かるもなかなかゴールネットを揺らすことができない。タイムアップが刻々と近づく中、引き分けが頭をよぎる。アディショナルタイムは、8分!8分あれば、ワンチャンスは必ず作れるはずだ。浦和を愛する人々の気力を振り絞り選手たちを鼓舞し続けた。そして90+2分、酒井選手のアーリークロスをファーサイドでリンセン選手がゴール前へとヘッドで落とし、伊藤選手の左足のボレーシュートが決まった。

最後の笛が鳴るまで、貪欲にゴールを求めて浦和を愛する人々と闘い勝ち取った勝利であった。

5階にある記者席から乗ったエレベーターを降りると、ミックスゾーンがある玄関ホールに人だかりができていた。視察に訪れていた森保一日本代表監督だ。「良い試合だった」と笑顔を見せて埼玉スタジアムをあとにしていたのが印象的であった。

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