浦レポ by 浦和フットボール通信

待っていたデザイン型ゴール 次のステップは対応への対応か【轡田哲朗レッズレビュー/J第4節神戸戦】

(Report by 轡田哲朗)

湘南戦でのリレー起用も含め、神戸戦にうまくつながった

浦和レッズは3月11日のリーグ戦4試合目でヴィッセル神戸とのアウェーゲームに1-0で勝利した。前半に伊藤敦樹が先制ゴールを奪い、その後にいくつかのチャンスを決められない場面はあったものの、後半は相手の攻勢を受け切った、あるいはうまく受け流した形で勝利につなげた。彼らが3連勝をしていたこともあるが、このような質の相手に10回やれば6回か7回は浦和が勝利したと思える内容の試合をできたことに価値があるだろう。

スタメンは4日のセレッソ大阪戦と選手名は同じだが、ポジションで言うとトップ下に大久保智明、左サイドに小泉佳穂の並びでスタートだった。これまでも試合中に入れ替わることの多かった2人ではあるが、マチェイ・スコルジャ監督は「神戸のスタイルも考えて大久保を真ん中にした。良い判断だったと思う。35分経ったところで大久保と小泉の配置を換えた。酒井高徳が非常に攻撃的な選手なのも考慮した。小泉はそこまでいい仕事をしてくれたが、3日前にルヴァン杯にも出場していたので彼の体力面も考慮した」と、その狙いの一端を話した。

先にこの2人に触れると、例えば相手ボールの時の予防的な守備のポジション取りは小泉に良さがある一方で、割と読みを入れるタイプなので瞬間の逆体重を酒井高徳に力で持っていかれるような場面もあった。大久保は生まれ育ちがサイドの住人なので、その辺のエラーは少ない。この日の神戸のプレスや中盤のキャラクターを見た時に、小泉は中央エリアからスタートするよりも大久保がよりアタッカー的なプレーをした次に中に入ってきた方が組み合わせがよく、それも前半の良い流れを生んだようには見える。とはいえ、その逆の目が出る試合もあるから必ずどちらかが正解というものでもなさそう。そして、8日のルヴァン杯で髙橋利樹が15分で負傷交代になった時に、残りの75分間を小泉と興梠慎三でシェアする起用をしておいたことが、この神戸戦に上手くつながったと思う。

相手を3方向にストレッチして勝負スペースを作ったゴール

何と言ってもこのゲームはゴールシーンをピックアップしてみたくて、これは確実に「デザインされた」攻撃だったと言える。というのも、最後のシュートシーンだけ見ると「なんであんなにゴール前で伊藤敦樹がフリーなの?」と思うかもしれないが、いくつかの布石があった上でのこと。映像で振り返ってみたらゴール後、マチェイさんがカメラで抜かれた時に不敵な笑みを浮かべていたのも「してやったり」の感があったのだろう。

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