浦レポ by 浦和フットボール通信

後半投入で流れを激変させた興梠慎三 チームに今足りないものと意識してプレーしたこととは【河合貴子 試合のポイント/J第2節横浜FM戦】

(Report by 河合貴子)

攻撃のタメを作る

開口一番に「怒りと失望の気持ちが大きい」と前半を振り返りながら試合後の記者会見でスコルジャ監督は言った。開幕戦をFC東京に0-2で敗戦を喫し昨シーズンの王者横浜FM戦に挑んだ浦和ではあったが、FC東京戦より改善されたところは見られたものの0-2と白星を挙げることができず開幕2連敗と苦しいスタートになってしまった。

試合開始から横浜FMに主導権を握られ何度となく決定機を作られたが、西川周作選手のファインセーブが光り堪えていた。だが、18分に横浜FMの小気味の良いダイレクトパスで左右へきれいに振られ、最後はアンデルセン・ロペス選手のヘディングシュートが決まり先制を許してしまった。44分には、水沼選手のクロスをクリアーしようとした酒井宏樹選手のオウン・ゴールを誘い2失点目が決まってしまったかと思われたが、オフサイドポジションだったアンデルソン・ロペス選手がプレーに関わっていたためノーゴールの判定。0-1で前半を折り返すことになった。前半に浦和が放ったシュートは、5本だ。だが、ボールの支配率はわずかに38%であった。

「相手が前から(プレスに)きていたので、ちょっと動けばスペースがあるかなと思っていた」と浦和を背負う責任を感じている漢は、どうすれば上手く主導権を握り攻撃を仕掛けるかしっかりと考えていた。浦和のエース、興梠慎三選手だ。

スコルジャ監督から「後半頭から行けるように準備しておけ」と言われ、万全の準備を整えて後半からピッチへと送り込まれた。

「監督が『ボールを奪われないこと』を強調して言っているので、選手としてはチャレンジのパスを出しづらい。獲られるリスクを避けながら(ボールを)回していく。そうなっていくと、良い攻撃ができない。自分は、なるべく狙っていこうと思った。紙一重かもしれないが、成功すればチャンスになる。失敗すれば監督としたら『何でだ!?』となるかもしれない。でも、それをしないと良い形で攻撃ができない。場面、場面の状況だけど・・・」と興梠選手は、後半の笛が鳴ると同時に躍動していった。

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