浦レポ by 浦和フットボール通信

各論はこれから 総論として秩序と混沌のバランスをどこに置くか【轡田哲朗 沖縄キャンプレポ18日目】

(Report by 轡田哲朗)

ピッチ上に現れる前の根っこでどう考えているかは大事

浦和レッズは沖縄県でトレーニングキャンプを実施中の1月28日は午前練習のみで終えた。基本的にはウォーミングアップにはちょっと強め、フィジカルトレーニングと呼ぶには少し弱めくらいの体の動かし方をした後に、ピッチを広く使った全体的なポゼッションとプレッシングのトレーニングをしていた。そして、明日はキャンプ最終日でサガン鳥栖とトレーニングマッチを行って、そのまま埼玉に戻る。だから、試合後にバタバタするのを見越してマチェイ・スコルジャ監督の取材機会はこの日に設定された。その全文は掲載されているので、少し長いけれども目を通してもらえるといいと思う。通訳を挟むので情報量に対して時間が長めになるのを割り引いても、20分ちょっと真摯に質問に答えてくれたのはありがたかった。

その全文はすでに公開しているので、そちらをご覧いただくのがいいと思う。その意味で、総論として言えるのはチームの精神的なバランスとでも呼べるものをどこに置くかが重要だと思っている。最終的にそれはピッチ上の選手の動きや戦術などに表れてくるのだけど、根本として「どのような状態を良しとするか、意図するか」というのは大事なことだ。

リカルドはかなり「秩序」に寄ったタイプ。そこから

マチェイさんはシンプルに「リカルド監督の非常にいい仕事が感じられる。その良いところは残したいと思っている」と話した。だが、自分なりのアイディアをそこに加えていくこと、つまりは増改築、リフォームの部分が絡んでくる。それがインテリアを変えるようなことや、屋根や壁の色を塗りなおすようなレベルで収まるかと言うとちょっと違うかなと思っていて、土台は生かしつつも見え方はかなり違うものに「改築」されるニュアンスが強まるのではないかと予想している。

その根本にあるのが表題にある、「秩序」と「混沌」のバランスをどこに持つかだと言える。リカルド・ロドリゲス監督はかなり「秩序」に振ったチームを作った。それは規律を重んじるとかそのような精神的な意味ではなく、「予定通りの状況を生み出して、予定通りに攻略していくことに価値を見出す」という意味合いになる。リカさんもハイプレスを完全に否定したわけではないし、できれば敵陣でゲームを進めたいという言葉は残していた。だが、偶発的な状況が多発するのを好まないことから、相手のシステムによって自分たちのシステムを変化させて、狙い通りの状況を生み出し続けることがベースになる。それを「ポジショナルプレー」という表現のもとに行っていた。

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