浦レポ by 浦和フットボール通信

全体的にレベル差のあるゲーム 相手が関係あることと、ないこと【轡田哲朗 沖縄キャンプレポ11日目/TM沖縄国際大戦】

(Report by 轡田哲朗)

疲労がかなり溜まっている状態で迎えたゲーム

浦和レッズは沖縄県でトレーニングキャンプを実施中の1月21日に沖縄国際大学とのトレーニングマッチを実施。45分、45分、30分の変則3本トータル120分の構成で、7-0の大勝を収めた。15日に対戦した沖縄SVは今年からJFLに昇格するチームだし、元Jクラブの選手もいる大人のチームだが、今回の相手は大学生。相対的にレベルの高い相手とは言い難いのだけど、だからこそ確認できることや気が付くこともある。

前日の練習レポートでも記したように、キャンプの初日からいわゆる「完オフ」がなくてトレーニングのぶっ続きだったところで、ほぼ全日程の中間地点。それは選手たちに疲労が来ているのも当然で、普通なら負荷調整を込みで実施するだろうセットプレーの確認すらも省いて午前をオフにする構成に変えていた。だから、各選手30分から75分の間くらい、60分前後のプレータイムが多いセットの中、30分が経過したあたりから全体に運動量が減退して試合の質が落ちたのは仕方ない。むしろ、そのような時間帯にマチェイ・スコルジャ監督がベンチ前で「Keep the ball!(ボールを保持しろ)」と大声を掛けていたのは印象的だった。基本的にハイプレスの意識づけをしているだけに、相手に持たせてコントロールしようとすると「コンセプトを実行しようとする選手」「今の状況は持たせてブロックを形成」と判断する選手でバラつきやすいので、だったら自分たちでボールを持っておいた方がいいというのは自然な発想だろうと思う。その方が、疲労とゲームのマネージメントはしやすい。マチェイさんの就任から「プレス」、「速いサッカー」というワードが独り歩きしている感もあって、当然のように私にも責任の一端はあるんだけど、それだけでない部分も見え隠れしてきている。

狙い通りの展開が、1本目ほど多くて3本目ほど少ない理由

前回のトレーニングマッチと同じで、クラブとの「ライン設定」で11人の布陣図を構成するようなことはできない。得点者の情報などは書けるけれども、それはすでにリストとして明らかになっている。なので、もう少し違った方向性でこの試合を捉えて何かを残してみたい。

マチェイさんの選手起用、あるいはトレーニングでの組み分けやトレーニングマッチのメンバー設定は、それなりに序列を反映している。大槻毅さんやリカルド・ロドリゲスさんはかなりシャッフルするタイプだったので、メンバーも日替わり。例えばトレーニングのメニューに選手名を入れて図示をしたところで問題はないだろうと思っていた。一方で、マチェイさんはミハイロ・ペトロヴィッチさんやオズワルド・オリヴェイラさんのような、誰が見ても明らかにスタメン組とサブ組がほどではないけれども、ちょっとメンバーの詳細を明らかにしてしまうのは悩ましくなる程度には今の序列が見えるところがある。コンディションやポジションごとの人数バランスを考慮しても、この日のトレーニングマッチで言っても試合開始から大まかに3セットで入れ替えていくメンバーの早い段階から出た順に試合のピッチに近いという見方で良さそうに思える。そして、それはきちんと試合内容に反映されている。

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