浦レポ by 浦和フットボール通信

マチェイ・スコルジャ新監督の下でどのようなサッカーになるのか

(Report by 河合貴子)

思うようにいかなかった3年計画

常勝軍団を目指し始まった『浦和3年計画』は、選手個の能力を最大限に発揮し、組織的に攻守において切れ目なく、前向きに攻撃的で情熱的なプレーを『個・チーム・姿勢』のコンセプトを下に進められてきた。土台作りをした大槻監督体制が『浦和3年計画』の1年目となり、大槻監督は「次の監督にバトンを渡す」とリカルド・ロドリゲス監督へと移り変わり選手たちの大幅な入れ替えが行われる中、『浦和3年計画』のラストイヤーだった昨シーズンは、天皇杯優勝を足がかりにしてACL決勝進出を果たすもJリーグでは勝ちきれない試合が続き決定力不足やゴール前の精度、退いた相手を崩すためのコンビネーションやさらに前線からのハイプレスの連動性など課題が浮き彫りとなった苦しいシーズンであった。

コロナ禍の影響や補強のラストピースとされたブライアン・リンセン選手の怪我など不運もあった。公式戦において安定した戦い方が出来なかったり、攻守においてのコンビネーションが確立出来なかったことをリカルド監督は「メンバーを固定してもよかったと思う」と悔やんでいた。リカルド監督は、5レーン理論に基づいたポジショナルプレーをベースとし、対戦相手を細かく分析していき、相手のウィークポイントを突くために選手起用しシステム変更をしたりした。チームを熟成させるには時間が掛かる。正直なところ、大槻監督体制からリカルド監督に計画は後倒しされたと感じていた。

土田SDは「コンセプトの浸透がなかなか進まない現実があった」と険しい表情を浮かべ「コンセプトをベースにチームスタイルを掲げ、結果を出せるチームを作る中で、次の段階へ進むときだと判断いたしまして、この度マチェイ監督を招聘することになりました。マチェイ監督に期待することは、彼の素晴らしい人間性とキャリアをベースに、選手個々の能力を最大限に発揮させてもらい、チームとしてはコレクティブかつアグレッシブ、主導権を握り、勝つためにゴールを目指す攻撃的なサッカーを展開していただきたいと思っている」と力強く話した。リカルド監督からマチェイ・スコルジャ監督に代わることは、浦和が常勝軍団になるために新たな段階に入ったことを示唆していた。

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