カップ戦に必要な爆発力の発揮 確実に見える昨季からの成長も【轡田哲朗レッズレビュー/WEリーグカップ決勝 東京NB戦】
(Report by 轡田哲朗)
昨季と大きく違う選手起用とプレータイム
三菱重工浦和レッズレディースは、1日に今季創設された「WEリーグカップ」の決勝で日テレ・東京ヴェルディベレーザと対戦して3-3からもつれ込んだPK戦を4-2で制し、初代女王に輝いた。後半27分の時点でスコアは0-3になった試合であり、後半30分からの9分間でそれを追いつく爆発力を強く印象付けるものになった。
この大会は全11チームをABの2グループに分け、浦和は6チームで構成されたグループAに入った。その5試合を3勝2分で終えて勝ち点11を獲得し、得失点差で上回っての決勝進出を果たした。ただ、その過程ではU-20女子ワールドカップ(W杯)に選手を出していた関係や、南萌華のイタリア移籍、負傷者が出たこと、楠瀬直木監督には「若手や色々な選手の出番づくりというところでは、リーグ戦が始まる前にこのようなカップ戦があると色々なことが試せる」という言葉があったように、システムも複数採用しながら選手も多く起用する中で決勝にたどり着いた。佐々木繭、猶本光、菅澤優衣香の3人が大会をほぼフル出場だったが、それ以外のところでは多くの選手に出場機会があり、昨季までの主力選手にも出場しないタイミングがあった。
そして決勝のベレーザ戦では、塩越柚歩をダブルボランチの一角に起用。楠瀬さんは「上手なので。うまい人間がボランチをやるべきだと思っている」という非常に分かりやすいシンプルな理由を話した。
スコアからの逆算で低評価する必要はない前半
ベレーザの4-3-3から前にズレてくるプレスに対して、ビルドアップを試みるところから入るのは昨季のリーグ最終節と同じだった。そのゲームでは全くつなぐことができず、前半から前線に向けてボールを蹴り飛ばすことになった。その光景と比べると、はるかに渡り合うことができるようになっていたと言える。今季の公式戦初戦となったリーグカップ開幕戦の大宮アルディージャVENTUS戦で4-3-3を採用した試合でレビューしたように、昨季と比較すれば局面の連続よりも、少し広く盤面を捉えて立ち位置を取る傾向がある。このゲームでも、ベレーザのインサイドハーフが前にズレた横でボランチがボールを引き出す場面があれば、状況を見て右サイドバックの水谷有希がアンカーの位置に入る「偽サイドバック」的な挙動を見せることもあった。
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