浦レポ by 浦和フットボール通信

湘南とはスコアレスドローの痛み分け ピッチ上の監督、岩尾憲が浦和の男としての覚悟とは【河合貴子 試合のポイント/J第30節湘南戦】

(Report by 河合貴子)

7選手を入れ替えて挑む

上位進出をもくろむ浦和にとって、勝ち点3ポイントは必要であった。だが、J1残留争いから完全に抜け出したいホームの湘南ベルマーレも必死だ。1歩の出足が浦和とは違う。中2日で挑んだ浦和と、1週間の準備期間を経て臨んだ湘南とのコンディション差は明白であった。そのハンディーをはねのけるぐらいの力を見せつけて勝ちたかった。結果は、スコアレスドローの痛み分け。

リカルド・ロドリゲス監督は「我々が勝っても湘南が勝ってもおかしくないゲームだった」と試合後の記者会見で悔しそうに話していた。ひいき目で見ると、リカルド監督の言う通りかもしれないが、幾度も湘南に冷や汗をかかされたことか・・・。特に前半に先制点を決められてもおかしくないぐらいの決定機を作られていたのだ。西川周作選手を初め、アレクサンダー・ショルツ選手、岩波拓也選手たちのDFが踏ん張り無失点で抑えたことは評価したい。ショルツ選手は「無失点だったことをポジティブに見ることは良いことかもしれませんね」と笑顔を見せたが、すぐに険しい表情を浮かべていた。

前節のC大阪戦から7選手を入れ替え、4-2-3-1システムとし、キャスパー・ユンカー選手の1トップ、トップ下に江坂任選手を置き、右サイドハーフにダヴィド・モーベルグ選手、左サイドハーフにアレックス・シャルク選手、馬渡和彰選手と酒井宏樹選手の両サイドバックが高い位置を取り数的優位を作りだして、5バックとなる湘南のブロックを崩していく狙いであった。だが、前半に浦和が放ったシュートは2本、湘南は9本だ。

湘南は堅守からの切り替えが早く、シンプルで素早い攻撃を仕掛けて躍動していった。6分、岡本拓也選手から斜めのクサビのパスを受けた瀬川選手が、右サイドの池田選手へと展開し、そのままゴール前へと走り込み池田選手のアーリークロスにヘディングで飛び込んできた。その1分後にも、今度は石原選手のクロスにまたしても瀬川選手がダイビングヘッドで浦和ゴールへと襲い掛かってきた。いずれも枠を捉えることができなかったが、浦和は重たい空気に包み込まれた。

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