浦レポ by 浦和フットボール通信

4-3-3でやりたいことは伝わる試合 次のステップを楽しみに【轡田哲朗レッズレビュー/WEリーグカップ大宮戦】

(Report by 轡田哲朗)

シーズン初の公式戦、4-3-3システムを採用

三菱重工浦和レッズレディースは、今季新設の「WEリーグカップ」の開幕戦で21日に大宮アルディージャVENTUSと対戦して、0-2から後半アディショナルタイムだけで2得点して引き分けた。リーグ戦の開幕前に予選リーグ5試合プラス首位通過なら決勝戦という、前哨戦のようなカップ戦の新設は喜ばしいことだし、これで皇后杯と合わせてリーグ戦と2つのカップ戦というドメスティックなサッカーとしてはスタンダードな構成が取れたことも前向きなことだ。

2019年のなでしこリーグ時代に監督就任して、WEリーグ開幕の昨季は総監督を務めた森栄次さんが退任してアカデミーに専念することになったことで、今季からは楠瀬直木監督のカラーがより強くなっていくことは予想される。その初戦のメンバーは、GKとセンターバックに負傷者や退団の決まった選手がいる関係で不安を残しつつも、4-3-3の昨季とは少し違ったシステムでの入りになった。

浦和は長年レギュラーで、なでしこジャパンでも活躍するGK池田咲紀子が負傷により長期離脱になることが発表されていて、福田史織はU-20女子W杯に選出されてコスタリカにいる。そのため、JFA特別指定(所属する学校のチームへの登録を維持しながら、WEリーグ、カップの試合に出場できる制度)で登録した伊能真弥がスタメン出場。ラスト15分ほどはユースに在籍中の山﨑琳がプレーした。

また、センターバックは南萌華がイタリアのローマへと移籍して、長船加奈は少し長そうな負傷離脱中。高橋はなも、ベンチ入りしたものの出場を見送る程度の負傷があったようで、長嶋玲奈と上野紗稀のコンビだった。右サイドバックは水谷有希で、やれるだろうけど基本は中盤の選手かなというタイプであり、左サイドバックの佐々木繭が最も経験値のある存在になっていた。この辺はプロのサッカーチームになった以上、シーズンが進んで結果が出なければ「補強、編成」という点でツッコミを受けることになるかもしれないが、カップ戦だからこそこうやってチャンスを与えられて成長の可能性も得られる。例えば上野は浦和にとって、これまでにない左利きのセンターバックという可能性を示したとも言える。

システムと選手の特徴を見れば、納得感は色々な場所にある

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