浦レポ by 浦和フットボール通信

現状の差をスコアで表現できた試合 良い形でACLへ【轡田哲朗レッズレビュー/J第25節磐田戦】

(Report by 轡田哲朗)

まずは試合開催できたこと、エコパの芝管理に感謝を

浦和レッズは13日のJ1第25節、ジュビロ磐田とのアウェーゲームに6-0で勝利した。台風8号の接近で試合が開催されるかどうかも当日まで分からなかったが、試合前に台風が抜ける天気予報ということもあって開催が決断された。こういう新型コロナウイルスの影響がある中で、できれば両チームともあまり延期日程を作りたくないところはあったとは予想されるけれども、そのような状況の中でまともなサッカーのできるピッチ状態を保ってくれたエコパスタジアムの芝を管理する方々は素晴らしい仕事だったと思うし、浦和の目線で言えばつなぐことを諦めてロングボールを蹴るしかない舞台設定にならなかったことは助かっただろう。

10日のルヴァン杯準々決勝第2戦、名古屋グランパス戦からGKを鈴木彩艶から西川周作にスイッチしただけというメンバー構成で、あまり好きな言い方ではないけどベストメンバーというか、何事もなければこのスタメンで始めたいというのがリカルド・ロドリゲス監督の現時点でのチーム評価だろう。ボランチで2枚、柴戸海と平野佑一を欠いているのでベンチには安居海渡が入っているが、彼も後半に長めのプレータイムを得た。

余談だがこのゲームに限らず布陣図をどうするかの問題はJリーグの多くの試合で発生していて、守備ブロックをどの形で作るかと攻撃の時にどのような配置を取るかが一致しないチームが多くなってきている。例えば浦和だと4-2-3-1表記をされることが多いけれども、4-2-3-1に選手が並んでいる場面はほぼない。相手ボール基準で書くと4-4-2が良いだろうけれども、小泉佳穂や江坂任がセカンドトップ的な選手なので、彼らをベタっと並べる2トップ表記に抵抗があるのかもしれない。マイボール基準だとここ最近は4-3-3の方が実態に近いが、この試合の途中でも酒井宏樹や岩尾憲の位置取りで3バック化することもあったし、定型的な表記は難しい。ということなので、私の場合は基本的に浦和の布陣についてブロックを作った時に典型的な4-4-2で書くことが多い。この試合の磐田もとりあえず3-4-2-1にする人が多いだろうけど、始まりの守備は5-3-1-1だったし、その後は5-3-2から後半は4バックになった。攻撃はボランチがバックラインに出入りする4-1-5型なので、3-4-2-1に人が並んでいる時間帯も少ない。この辺は何とも言い難い。

グチャグチャな磐田と、対応して穴を作る浦和

浦和は立ち上がりに小泉が対人守備のところで、縦のコースを切るようにして中央方向へのパスを誘導してカットするという、個人レベルだと「とても気持ちいい」駆け引き勝ちをしたところからカウンターを仕掛けてダヴィド・モーベルグが先制ゴール。さらに、最終ラインに対して良い場所を取ったところから相手のミスを誘発して松尾佑介がボールをかっさらって小泉がゴールして2-0と、前半13分で勝ち点の行方はほぼ決まった。とはいえ、この試合でもあったように今の浦和の良さの1つになっているのは相手のプレスに応じて場所の取り方を変えられることでもあるので、ちょっと紹介はしてみたい。

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