浦レポ by 浦和フットボール通信

守破離の「破」がここにあるか 意図的なセオリー外しが今後のヒントに【轡田哲朗レッズレビュー/ルヴァン杯準々決勝第1戦 名古屋戦】

(Report by 轡田哲朗)

コアを変えず、周りを変化させたメンバー構成

浦和レッズは3日のルヴァン杯の準々決勝第1戦、名古屋グランパス戦を1-1で引き分けた。この大会は2試合合計が同点だった時にアウェーゴール差で決着させるルールがあるので、敵地で1得点した引き分けは55対45くらいの優位性なのではないか。明確な優位性を取ったほどでもなく、多少のアドバンテージはある。そのくらいの結果を残したと言えるだろう。

このゲームで浦和は7月30日のリーグ戦、川崎フロンターレ戦からスタメン6人を入れ替えているが、そのうち1人はアレクサンダー・ショルツの復帰だと考えればセンターバックとダブルボランチの4人は完全なコアメンバーを残したといえる。どのチームもここの部分は心臓部なので、今の良い流れを維持しつつ枝葉を変化させていくという点では理解のできる采配でもある。この辺は、最後のところで触れてみたい。

 

名古屋はベンチスタートになったメンバーにかなり力と実績のある攻撃的な選手がいた。長谷川健太監督はメディアに対して、この浦和と名古屋が3連戦となったカードについて2試合目までのスタメン起用プランはできていると話していたので、彼らは週末のリーグ戦でのスタメンを見据えつつ、プレータイムをコントロールしたのだろう。それは後半から出てきたボランチの稲垣祥も同様だろうけれども。

受け持ちゾーンをマッチアップさせて噛み合わせる名古屋

浦和は6月に名古屋に対して3-0の快勝をしていた。名古屋の視点でいくと同じようにやって同じように負けることは耐えがたいだろうということで、彼らが採用してきたのがマンツーマン気味にゾーンをマッチアップさせるスタートだった。攻撃時に1トップ・2シャドーの構成を取る3人を、浦和ボール時には2トップ・1トップ下の形にして浦和のセンターバックと岩尾憲のところに噛み合わせる。そうすることで、ダブルボランチはインサイドハーフ化する伊藤敦樹と小泉佳穂に噛み合う。ウイングバックは宮本優太と大畑歩夢まで積極的に出していって、後ろでは数的同数のリスクを許容するというような流れだった。

(残り 3028文字/全文: 3922文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ