浦レポ by 浦和フットボール通信

突破成功でまずは合格 この1点がシーズン後半につながる価値を持つ理由【轡田哲朗レッズレビュー/天皇杯2回戦福島戦】

(Report by 轡田哲朗)

この試合へのプレッシャーを感じさせたメンバー構成

浦和レッズは1日の天皇杯2回戦、福島ユナイテッド戦に1-0で勝利した。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)のタイ遠征以来の公式戦勝利で、国内の試合だと3月19日のジュビロ磐田戦以来の勝利になるので平日の夜とはいえ久々に勝つ浦和の姿を見せられたことになる。これは一発勝負のトーナメントであるから、相手がJ3のチーム(とはいえリーグ10試合で3失点という強烈な数字を持つ)であるとか、1点差であるとかシュート数に対してどうのこうのは先の話で、まずは突破した時点ですでに合格点。それくらい、トーナメントの試合が持つプレッシャーを過小評価してはいけない。

このゲームはもう少しスタメンでチャレンジというか、試合へのハングリーさや体力的な余裕が出ていることを重要視するかなとも予想していたが、思った以上にリカルド・ロドリゲス監督はこのゲームに対して慎重だったように見えるし、プレッシャーを受けていたのだろう。また、それに加えて福島との試合が0-0の緊張感ある状態で推移することが想定内だったのかもしれない。ここ数試合メンバー外になっていたダヴィド・モーベルグを戻したのも、中途半端なコンディションなら中断期間でしっかりやり直すかと思っていたところだったが、このゲームの勝利のために彼の能力を欲したと見えた。そうした意味では、彼はゴールシーンのところで仕事を果たしたと言えるかもしれない。

福島は本当に最初の数分間は4-4-2で守る意図を見せていて、次の段階では5-3-2のような感じになった。もしかしたら前の方の選手に上手く伝わらなかっただけかもしれないが、次第に5-4-1でセットするようになったので、とりあえずニュートラルに始めてみたはものの浦和をリスペクトする方向に判断したということなのだろう。

配置を取れる、ボールを運べる、ゴールできないは今までと同じの前半

前半はダブルボランチの一角が平野佑一で、最初の相手が2トップだった時間帯は3枚目の位置に降りることや、より明本考浩が近接して3枚に変化することをベースにしようとしていたが、相手の枚数が変わった時点で平野は位置取りを変えた。そのままだと、前にズレてくるサイドハーフと1トップの3枚でハマってしまうが、彼が1トップの選手の背後に潜り込むことで三角形と逆三角形が噛み合わなくなって、相手の役割分担がズレた。

(残り 2832文字/全文: 3846文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ