浦レポ by 浦和フットボール通信

2年目ならではの苦しみか 「浦和っぽさ」とコンパクトさのバランス【轡田哲朗レッズレビュー/J第8節FC東京戦】

(Report by 轡田哲朗)

10試合を終えて勝ち点10、ACL後は順位表の下半分からだろう

浦和レッズは10日にリーグ戦の10試合目、FC東京とのアウェーゲームに臨んで0-0で引き分けた。これで3試合連続の引き分けになり、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)の戦いでタイに乗り込む前に勝ち点を伸ばしておきたいという目論見は実現しきれなかった。

プレビューの時点で、10試合目はどうしても節目に見えるし、平均獲得勝ち点などが見えやすいと記した。先にそれを回収しておくと、勝ち点10、得点11、失点10という数字からも、どれもこれもが1試合あたり約1点だったと言える。同様に10試合を消化した川崎フロンターレが首位だけれども、その勝ち点は20とここ数年の独走状態にはならず、試合数の2倍に収まった。一方の浦和は試合数と同じ勝ち点でしかなく、ヴィッセル神戸と湘南ベルマーレが目立っているので順位表の立ち位置がそんなに酷くはないものの、残留争いに巻き込まれておかしくない勝ち点のペースになってしまった。タイから帰国してリーグ戦に再び臨むころには、逆に浦和などACL出場チームの試合数が全体の中で少なくなっている。その時には恐らく順位表の下半分にまでなっているだろうから、巻き返しが必要なものを残した序盤戦だったと言わざるを得ない。

このFC東京戦には酒井宏樹が負傷から復帰し、あらためて攻守にわたる力強さを見せて現状のメンバーの中でも1つ違うレベルにあることを示した。また、小泉佳穂と柴戸海が前節の登録メンバー外からスタメンに戻ってきたことからも、リカルド・ロドリゲス監督はある程度のローテーション起用を行ったと言える。伊藤敦樹の出場停止はあるにしても、前節に10人の状態でのハードワークを強いられた岩尾憲がスタメンに残ったところからも、基本的には浦和がボールを持つ試合展開で力を発揮できる選手を欲した面があるのだろう。

リカさんとアルベル監督による手の打ち合い

FC東京のアルベル監督が「戦術的な試合」と振り返り、リカさんも以前に「チェスのような手を打っていくのを楽しむのもサッカーの1つ」という趣旨の話をしたこともあるように、両監督は特に前半に多くの手を打つことになった。浦和は当初、3-2-5風味の前進で岩尾が右、柴戸が左に構えて、柴戸まで出てくる相手の中盤の背後に小泉が絞ってくることによって、このエリアで1人を解放するプランを作った。

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