もったいない引き分け、今季ベストの攻撃を導いたショルツのちょっとしたプレー【轡田哲朗レッズレビュー/J9節神戸戦】
(Report by 轡田哲朗)
大畑のスタメン起用はなかなかのサプライズ
浦和レッズは23日のリーグ第9節の先行開催、ヴィッセル神戸戦に2-2で引き分けた。前半の早い時間にPKで先制点を与えてしまったものの逆転に成功。試合内容を見れば大きな事故がない限り勝ち点3に近づいていける空気になっていたが、明本考浩の退場処分からは一気に空気が変わった。トータル約35分間を10人で守り切ることが必要だったが、残り数分のところで槙野智章に同点ゴールを決められてしまった。明本の退場については別媒体で記事になっているのでここでは掘り下げない。ただ、2試合を終えて1分1敗の勝ち点1というのは、すでにスタートダッシュに失敗したと言わざるを得ないから、勝ち点3をどれだけ連続して積んでいけるかがすでに問われ始めてしまっている。
このゲームで大畑歩夢がスタメン出場したのは結構なサプライズだった。キャンプの全てを別メニュー調整だった選手なので、2月中にまとまったプレータイムがある姿は全く想像していなかったし、割とすんなりチームの中で機能していたのも驚いた。大畑自身の能力の高さは間違いないのだろうけど、昨季までプレーしていたサガン鳥栖は、かなり戦術的な要素のある下部組織とトップチームをしているので、その点で順応の助けになっているのかもしれない。
逆に、リーグ開幕戦の京都サンガFC戦で試合終盤に負傷交代した酒井宏樹はベンチスタートで、ハーフタイムに大畑と代わった。これは恐らくプレータイム的な予定通りの交代だったのだろうけど、完全な結果論として彼らの出場する順番が逆だったら大変なことになっていただろうから、その点はリカルド・ロドリゲス監督にちょっとしたツキはあったかもしれない。
3枚変化してくる相手に、初手でどう出るかは整理が必要かも
この試合はプレビューの時点から、神戸のセルジ・サンペールに楽をさせると危険だという内容を記していた。ただ、浦和のセットプレーが跳ね返されて、両チームがセットしたポジションに戻り切れていない中で、彼の素晴らしいサイドチェンジからの流れで最終的にPKに至ってしまった。これを西川周作が止めてくれたものの、その後のスローインからゴチャゴチャした中をストップしきれずに最後は失点になってしまう。
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