浦レポ by 浦和フットボール通信

リーグ最終戦の名古屋戦はスコアレスドローで今季は6位で終わる【河合貴子 試合のポイント/J38節名古屋戦】

(Report by 河合貴子)

最終戦はスコアレスドローで6位フィニッシュ

天皇杯を優勝して今シーズンの有終の美を飾りたい。その準備のための意味合いも含まれたリーグ最終節・名古屋グランパス戦でもあった。もちろん勝利と同時に選手たちの試合勘やフィジカルコンディション、攻守においてのコンビネーションなどチームの完成度をあげる目的だ。戦線離脱していた柴戸海選手、明本考浩選手とキャスパー・ユンカー選手をスタメンで起用し、金子大毅選手が7月7日に開催された天皇杯3回戦・相模原戦でスタメン起用されて以来、公式戦23試合ぶりのスタメン起用となった。試合前日の定例会見でリカルド・ロドリゲス監督が「少し変更点がある」と話していた通り、ユンカー選手の1トップにした4-2-3-1で臨んだ。一方の名古屋は、リーグ最終戦でACL出場権獲得にわずかな望みをかけて4位を目指していた。

試合開始から一進一退の攻防の中、徐々に浦和がDFラインをしっかりと押し上げ攻守の切り替え早く主導権を握り始めていった。

「相手がマンツーマン気味にマークしてきたところで、中盤の選手がスライドしてきた時にスペースが空いていて、そこを使うことができた」と後方から積極的に攻撃の組み立てを心がけていたアレクサンダー・ショルツ選手が言っていたが、最初に決定機を作りだしたのは名古屋であった。25分、木本選手が自陣から力強くドリブルで持ち上がり、右サイドへと張っていた前田選手へと展開すると、前田選手の横パスを受けたマテウス選手が強烈なミドルシュートを放ってきたのだ。このシュートを西川周作選手が右足1本でファインセーブして先制点を許さない。

浦和に主導権を握られた名古屋は、飲水タイム後にしっかりとブロックを退いたり、前線からプレスを掛けたりと状況判断が良い守備へとなっていった。名古屋の堅い守備をなかなか崩しきれず、攻撃の形は作れるものの決定機を生み出すことができない。約60%もボールを支配していた浦和だが、放ったシュートは岩波拓也選手が直接狙ったFKの1本だけであった。

ハーフタイムにリカルド・ロドリゲス監督は「45分間で替えることは、ある程度プランとしては持っていた」と天皇杯・準決勝・C大阪戦を考慮して明本選手とユンカー選手を替え、宇賀神友弥選手と江坂任選手をピッチへと送り込んだ。そして、システムを『浦和式ゼロトップ』へと変更。

浦和に決定機を作らせなかったとはいえ、主導権を握られたフィッカデンティ監督は「グラウンドの中央の部分で相手に主導権を握られているようなところがあった。中盤のゾーンであまり強さが出せないというところでは、前に進む推進力も持てない中で、両サイドバックも、両サイドハーフに配置する選手たちも、攻撃的な選手もその位置に配置して、真ん中から行けないのであれば外から行く」と3バックへとシステムチェンジをして中盤に厚みを付けて対策をしてきた。

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