新浦和式ゼロトップで横浜FMを攻略 伊藤敦樹がJ初ゴールで勝利に貢献【河合貴子 試合のポイント/J36節横浜FM戦】
(Report by 河合貴子)
万全の対策で横浜を攻略
見事に横浜FMの雪辱を果たし、浦和を愛する人々の魂がこもったいくつもの旗が、あかね色に輝く西日を受けて波を打っていた。ボールをどんなに横浜FMに支配されても、自分たちが理想していている戦いができなくても、ゴール前をしっかりと固め、守備ブロックを作り、本当に我慢強く戦い抜いた勝利であった。
試合前日にリカルド・ロドリゲス監督が「いない選手のことを考えるのではなく、今いる選手たちでいかにマリノス戦に向かって準備できるのかということをテーマにしていました」とインターナショナルマッチウィークで約2週間で、しっかりと横浜FMの対策を練っていた。
別メニューで調整が続いているキャスパー・ユンカー選手、柴戸海選手、明本考浩選手はベンチ外となり、小泉佳穂選手は大事をとって温存、日本代表に招集されていた酒井宏樹選手はベンチスタートとなる中、平野佑一選手をアンカーにして伊藤敦樹選手と関根貴大選手で中盤を逆三角形にし、4-3-3と『浦和式ゼロトップ』のニューバージョンで挑んだ。
キックオフの笛が鳴ると、勢いよく前線からプレスを掛けてきたのは横浜FMであった。そして、ボールを奪うとしっかりとポゼッションして主導権を握ってきたのだ。浦和は、慌てずに4-5-1とブロックを作り横浜FMの攻撃を封じ込めていった。だが、一瞬の隙があれば横浜FMの攻撃が牙を剥く。
完全に浦和が横浜FMに押し込まれた状態の中で8分、ティーラトン選手から逆サイドの小池選手に展開し、その落としを喜田選手がアーリークロスを入れると前田選手が尽かさず合わせてヘディングシュートを放ってきた。10分には、後方からのビルドアップを扇原選手にインターセプトされ、ショートカウンターでマルコス・ジュニオール選手へと展開されたが、ここはショルツ選手と岩波選手がチャレンジャー&カバーでうまくブロックしてシュートを撃たさなかった。15分には、エウベル選手のアーリークロスに合わせた前田選手のヘディングシュートは西川周作選手がしっかりとセーブした。
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