浦レポ by 浦和フットボール通信

ボランチ起用の安藤梢が連敗ストップに貢献 この試合に掛けていた思いとは【河合貴子 試合のポイント/WE第9節仙台戦】

(Report by 河合貴子)

堅守の仙台を攻略

WEリーグ開幕から4連勝と初代女王を目指して順調な滑り出しを見せていた三菱重工浦和レッズレディースであったが、主導権を握りながらもサンフレッチェ広島・レジーナ戦を1-2で敗戦すると、試合の内容が良くても結果が伴わずまさかの3連敗と苦しい状況に陥ってしまった。

喉から手が出るほど結果が欲しい浦和は、ホーム埼玉スタジアムで開幕からわずかに1失点と堅守を誇り無敗のマイナビ仙台レディース戦に臨んだ。「負けるのには、理由がある」と清家貴子選手は、まずは守備を念頭において試合に臨んだ。良い守備は、良い攻撃の始まりである。試合が動いたのは、開始3分のことであった。3分、相手の跳ね返したボールを拾った高橋はな選手からのパスを清家選手が相手と競り合いながらヘッドでそらすと、島田芽依選手と菅澤優衣香選手が前線で収めて、島田選手からエリア内へ走り込んだ塩越柚歩選手と繋ぎ、最後はインナーラップを仕掛けていた清家選手が塩越選手の落としをしっかりとゴールへと流し込み先制点を叩きだしたのだ。見事なパスワークは、味方を信じて走り込む素晴らしいオフ・ザ・ボールの動きから生まれ、仙台のDFを手玉に取った華麗なゴールであった。

先制点を決めた清家選手は「普段はあそこまで高い位置にいることはほとんどないのですが、思い切っていってみたら、塩越選手からいい落しが来たので、GKを見てしっかりと決めることができました。3連敗中、気持ちが見せられる試合がしたかった」と自身のゴールを振り返りながら満面の笑みをみせていた。

開始早々の先制点は、勝利に飢えていた浦和を勇気付けた。仙台の3-4-3システムの裏をかくように、両サイドのバイタルエリアをうまく使って、厚みのある攻撃を仕掛けていった。

11分には、塩越選手のゴールライン際からのクロスをブロックされて得た猶本光選手の左CKをニアで菅澤選手がヘッドで合わせたが、ストーンに入っていた選手に惜しくもクリアーされてしまった。さらに12分には、こぼれ球を拾った安藤梢選手が思い切りよくループシュートを放っていくが、GK松本選手がギリギリのところでファインセーブ。

立て続けに決定機を作り出し試合の主導権を握る浦和は、高橋選手の後方からのロングフィードが相手DFのハンドを誘いFKを獲得。南萌華選手を狙った猶本選手のFKは、南選手と競った高平選手のオウンゴールを誘い2-0。

浦和は攻撃の手を緩めずに追加点を狙いにいく。22分、猶本選手の右CKをゴール前でピーポイントに合わせた南選手のヘディングシュートは、カツンと鈍い音を響かせてゴールポストに直撃。37分、クサビの縦パスを受けた猶本選手から清家選手へと展開し、清家選手のマイナスのクロスに島田選手がシュートを放つも枠を捉えることができなかった。

(残り 2505文字/全文: 3678文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ