浦レポ by 浦和フットボール通信

チーム作りは2周目に入ったか 組織を良くするのは個人【轡田哲朗レッズレビュー/ルヴァン杯準決勝2nd C大阪戦】

(Report by 轡田哲朗)

3人の同時起用は、少し難しさも感じさせた

浦和レッズは10日のルヴァン杯準決勝第2戦、セレッソ大阪戦を0-1で終えて、初戦との2試合合計スコアが1-2となって敗退。国内三大タイトルのうち1つは、ここで終了になった。以前にも記したように、こういう2試合での合計スコアを競うものに、1試合ずつの勝った、負けたみたいなことを考える意味はあまりないと思っているけど、確かに選手やリカルド・ロドリゲス監督の立場からすると、勝っていない試合が続き始めたことは気になるだろう。それは、10月2日にヴィッセル神戸とのリーグ戦を敗れたところからスタートしている。そのショックを引きずっていると言うよりも、そのピッチ上で指摘された課題を改善していかなければいけない段階を踏んでいると見た方がいいように思っている。

この試合では、キャスパー・ユンカー、小泉佳穂、江坂任の3人をスタメンで同時起用した。それはプレビューでの予想にもさせてもらったが、ある意味では試してみたいことだったのかもしれない。ただ、やってみたら難しいところもあったようには見えた。それは、その瞬間のことというよりも、より勢いをつけるための交代策が必要になった時に、打てる手が限られているように見えたところがある。3人のうち1人がベンチスタートというのは、もしかしたら現状のチーム構成における90分間での起用の幅という観点からはちょうど良いのかもしれない。

基本的に試合の経過、結果が分かっている前提で、セレッソは中3日のゲームで11人のスタメンが全く同じだった。しかも、この日の大阪は「まだ夏だな」というような気候だったにも関わらず、よく走るチームだった。ただ、その「走れる精神状態」を呼び込んだ1つには浦和のクオリティーも要素として挙がるだろう。あとは、個々にちょっとした修正をされている部分はあった。

個々に足りなった部分と、相手に積ませてしまった小さな成功体験

普段だと割と全体の構造みたいなところから試合を振り返っていくことが多いのだけど、この試合、あるいは10月に入っての3試合に関して言えば最初のポイントはそこではないと思っている。というのも、3月や4月のリカさんが監督に就任してチームを形作っていかなければいけない時期、課題は「チームを機能させるための個人能力が不足している」ところにあった。それは主にポジショニングで、適切な相手との位置関係を取ること、相手のブロックから必要以上に外に出てこないこと、相手と相手を結んだラインより少し後ろを取って我慢できるかといった部分を複数回にわたって指摘したように記憶している。

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