浦レポ by 浦和フットボール通信

FC東京に逆転勝利 先制点を奪われても必然的に勝利を手繰り寄せた自信と共通意識【河合貴子 試合のポイント/J第30節FC東京戦】

(Report by 河合貴子)

今季初の逆転勝利でFC東京を下す

どんなに苦しんでも、今の浦和には勝ちきる力がある。それをしっかりとピッチで証明するかのように2-1でFC東京に逆転勝利した。FC東京の本拠地である味の素スタジアムには、浦和を愛する人々の姿がなく少し味けなさがあったが、浦和の勝利に酔いしれる秋の夜長となった。

公式戦9戦無敗と波に乗る浦和は、その勢いのまま『浦和式ゼロトップ』を継続してFC東京戦に挑んだ。一方、4連戦中の中2日で浦和戦に臨むFC東京は、名古屋戦からスタメンを5選手入れ替え、永井選手の1トップとし、2列目に渡邉選手、高萩選手、田川選手とフレッシュな選手を起用してきた。

開始早々、予想だにしないFC東京の先制パンチを食らうことになってしまった。浦和のキックオフでスタートしたが、FC東京は前線から激しくプレスを掛けてきた。岩波拓也選手から、相手のDFラインを下げさせるようにシンプルにロングボールを相手陣内へと放り込むと、それを拾ったFC東京のDF陣は浦和の出方を見ながら森重選手から一瞬の隙を突くようなロングフィードで一気に前線へと送ると、酒井宏樹選手の背後からタイミング良く飛び出した田川選手の華麗な胸トラップからのシュートが決まりFC東京が先制。開始わずか36秒の出来事であった。

いきなり追いかける展開となってしまった浦和であったが、崩れることなくボールを奪われてもすぐに奪い返し、そして冷静にボールを保持しながらゲームをコントロールしていったのだ。

リカルド・ロドリゲス監督も試合後の会見で「しっかりとチームは良いリアクションをしてくれたと思っている。その後、しっかりと試合を握れましたし、相手にとって危険な所、チャンスを作れていたと思う」と高評価するほどであった。

だが、前半は75%もボールを支配していく中で、なかなかシュートまで持ち込めない。浦和が前半に放ったシュートは3本に対して、FC東京はボールを支配されながらも7本ものシュートを放っていたのだ。

9分、明本考浩選手から平野佑一選手へと出したスローインを阿部選手に奪われてシュートを放たれるも西川周作選手がファインセーブ。4-4-2の守備ブロックを退きゴール前を固めるFC東京に手を焼く浦和に対して、FC東京はCKをキッカケにしてアグレッシブに攻め込み、セカンドボールを拾って厚みのある攻撃を仕掛けてきた。33分には渡邉選手のシュートのこぼれ球にジョアン・オマリ選手、34分の渡邉選手のシュートは西川選手が右足1本で止め、35分のジョアン・オマリ選手のシュートは枠を外し、37分の渡邉選手のヘディングシュートは西川選手がしっかりとキャッチした。ここで失点しなかったことは、浦和にとっては大きかった。

立て続けのピンチを凌ぐと、浦和は冷静にボールを保持しながらFC東京のブロックを崩しに掛かる。小泉佳穂選手や江坂任選手たちが、中盤でのビルドアップをフォローするように下がり、空いた前のスペースに汰木康也選手や関根貴大選手たちが顔をだし流動的に相手陣内へと左右を揺さぶりながら粘り強く攻撃を仕掛けていった。

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