浦レポ by 浦和フットボール通信

鳥栖との接戦を制す 酒井宏樹が「今日のパフォーマンスは10の内の1、2ぐらい」と話した理由【河合貴子 今日のポイント/J第24節鳥栖戦】

(Report by 河合貴子)

3位鳥栖との6ポイントマッチを制す

停滞する前線の影響で雨の中、集中力を切らさずにこの苦しいゲームをものに出来たことは本当に大きい。ACL出場権内を目指して浮上していくためには、絶対に負けられない鳥栖戦であった。2-1で3位の鳥栖に勝利を収めた選手たちの健闘を讃えて、浦和を愛する人々からスタンディングオベーションで力強い太鼓に合わせた手拍子が送られていた。

12年ぶりに浦和の聖地である浦和駒場スタジアムで開催されたリーグ戦、選手たちを鼓舞するようにバックスタンドのアッパーを赤と白で彩り、中央には浦和のエンブレムの大きなフラッグが鎮座し、選手たちを『THIS IS KOMABA』の文字で迎えたのだ。中断明けの初戦となったアウェイ札幌戦で手痛い敗戦を喫した浦和にとっては、本当に勇気づけられる演出であった。

東京オリンピックを終えたばかりの酒井宏樹選手、スピード移籍したばかりの平野佑一選手がスタメンで起用され、浦和の得点源である興梠慎三はベンチスタート、キャスパー・ユンカー選手はベンチ外で温存となり、1トップを明本考浩選手が任されてスタートした。

一方の鳥栖は、基本3-1-4-2のシステムであるが、仙頭選手がボランチの脇に下りてきて樋口選手と2人で攻撃の起点を作り、DFの大畑選手が高いポジションを取り変則的な形で圧力を掛けてきた。

最初に決定機を迎えたのは鳥栖であった。4分、自陣で中野選手にボールを奪われてしまい、小屋松選手のマイナスのクロスに山下選手がシュートを放つもギリギリのところで西川周作選手が死守したのだ。10分に江坂任選手が、鳥栖の縦パスをカットした平野選手から素早くパスを受けるとドリブルで運びミドルシュートを放っていたが決めきることができなかった。

浦和が前半に放ったシュートは、たったの2本だ。ボールの失い形が悪く、なかなか攻撃のスイッチを入れることができないもどかしさが募る中、鳥栖ペースで試合が進んでいった。

しかし、飲水タイムから浦和の前線からの献身的な守備がはまり始めた。36分、槙野智章選手がインターセプトをダイレクトで江坂選手へと縦パスを入れると、これを江坂選手が胸でボールをコントロールして明本選手へ。DFと競り合いながらも巧みに仕掛けた明本選手の力強い右足のシュートが決まり先制。

これで試合運びが楽になると思いきや、前半終了間際のアディショナルタイムにテンポ良く鳥栖にボールを繋がれてピッチの幅をうまく使った仕掛けから山下選手のシュートが決まり同点に追いつかれてしまいゲームは振り出しとなり、後半勝負になってしまった。

ハーフタイムにリカルド・ロドリゲス監督は「DFはコンパクトにしよう」「ボールを奪ってからカウンターを狙う」「幅をとって相手を引きだそう」と指示を出して選手たちをピッチへと送り込んだ。

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