浦レポ by 浦和フットボール通信

槙野智章が上位に食い込むために必要だと語ったこととは【河合貴子 試合のポイント/J17節名古屋戦】

(Report by 河合貴子)

堅守の名古屋を崩せず

ACL出場権を獲得するための『直接対決』とリカルド・ロドリゲス監督が位置づけた名古屋戦。赤く染まったバックスタンドのアッパーには、力強い『浦和』と大きなビジュアルが登場し、この一戦を共に闘う浦和を愛する人々の熱い思いが描かれていた。しかし、勝てなかった。でも、負けなかった。最後まで勝利を目指し闘い抜いたがスコアレスドロー。悪天候の中、力を尽くした赤き戦士たちを鼓舞するような温かな拍手に埼玉スタジアムは包まれていた。

決定機はどちらが多かったかというと名古屋であった。前半に浦和が放ったシュートは、20分の右サイドに開いたキャスパー・ユンカー選手がカットインして放ったシュート1本のみだ。対する名古屋は7本だ。8分には、山﨑選手のスルーパスに抜け出した柿谷選手が鈴木彩艶選手と1対1になったがトラップが少し流れてシュートまで持ち込めない決定機もあった。

さらに15分、左サイドにポジションチェンジをしていたマテウスのクロスをゴール前で山﨑選手がコースを変えると、柿谷選手が身体を反転させながらトリッキーなシュートを放ってきた。18分にルーズボールを拾った山﨑選手がスピードに乗って抜け出して放ったシュートは鈴木選手がファインセーブ。そのこぼれ球を槙野智章選手が何とかクリアするも相馬選手がゴールに襲いかかってきた。

浦和は、前線にボールが収まらず攻撃のリズムが出ない。中谷選手は「ユンカー選手をどう抑えるかがポイントだった」と話し「良い守備ができた」とニヤリと笑っていた。

名古屋は、DFラインを押し上げてボールサイドにスライドする浦和の守備を左右に展開しながら、攻撃のスイッチを入れてきた。26分にも右サイドからマテウス選手の鋭いクロスに山﨑選手が飛び込んでくる。とにかく浦和は、集中力を切らさずに堪えて前半を折り返した。

リカルド監督のハーフタイムの指示は「ボールを保持する時間を増やそう」「後ろのバランスを考えてボールを回そう」「相手の中盤とDFを引きだそう」であった。いかに前半、浦和の5レーン理論に基づいたポジショナルプレーが機能していなかったことがよく分かる。浦和のボール支配率は43%だ。ボールをポゼッションしてリズムを作る浦和対策されてしまっていた。

そこでリカルド監督は4-1-4-1システムから武田英寿選手に替えて伊藤敦樹選手を投入し4-2-3-1システムに変更し、中盤で厚みが持てるようにした。

(残り 2225文字/全文: 3252文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ