浦レポ by 浦和フットボール通信

槙野智章が守備を統率して鹿島を完封 アジアにかける思いとは【河合貴子 試合のポイント/天皇杯準決勝・鹿島戦】

虎の子の1点を守りきり、決勝進出

ACL出場権を獲得するためには、天皇杯を優勝するしか道は残されていない。負ければ敗退が決まり、今シーズンが終わる。準決勝の相手は、宿敵の鹿島であった。事実上の決勝戦とまで言われたこの1戦の前日には、選手たちを鼓舞するように大原練習場は、見渡す限りの浦和を愛する人々の魂が込められた横断幕に囲まれていたのだ。浦和の漢であるならば、何としてでもこの思いにピッチで応えたい。

だが、試合開始から鹿島に主導権を握られ、何度も鹿島に崩され苦しい展開になってしまった。前線の興梠慎三選手と武藤雄樹選手にボールが入らず、浦和のサイドからの崩しも数的優位を作られてしまい攻撃のリズムが生まれなかったのだ。

苦しい時間をしのいだ浦和に巡ってきたチャンスは、27分の柏木陽介選手の右CKであった。浦和のゴール裏からは、得点の期待を込めて力強くマウリシオ選手のコールが湧き起こり、そのコールに応えるようにマウリシオ選手のヘディングシュートがゴールネットに突き刺さった。

この先制点で勢いづいた浦和は、33分にも柏木選手の右CKから今度は岩波拓也選手がヘディングでゴールを狙うも、クォン・スンテ選手のファインセーブで追加点を奪うことができず、再び鹿島にゲームを支配され堪えながら前半を1-0で折り返した。

後半も猛攻を仕掛ける鹿島に対して、防戦一方になってしまった浦和であるがしっかりとボールサイドにスライドし、ゴール前では身体を張った守備で鹿島の攻撃を跳ね返していったのだ。

興梠選手は「こうなることは予想していた。1点入り守り切れれば決勝に行ける!決勝トーナメントは、こういう闘いが必要だ。内容とかじゃなくて、今日は勝つことが大切だった」と安堵の表情を浮かべ「サッカーをしていれば怪我はつき物だ。1点勝っていたのもあって、みんな集中していたし、我慢して足を引きずってまで(試合に)出たかったですが、チームにも迷惑が掛かる。ここで悪化するより、自分なりに判断して次の決勝に備えるためにも良い判断ができたと思う」と51分に負傷のためピッチをあとにした。

さらに、65分には武藤選手、72分には青木拓矢選手と交代枠を負傷のために使わなければならない状態に追い込まれたのは痛手であった。

それでも浦和は、最後の笛が鳴るまで必死にゴールを守り1-0で鹿島に勝利!3大会ぶりの決勝進出を決めた。

槙野智章のアジアに掛ける思い

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