【島崎英純】2024Jリーグ第27節／鹿島アントラーズvs浦和レッズ・試合レビュー『極限のバトル。浦和はアウェーの戦いに徹して勝点を得た』

2024年08月18日 8時00分　
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タグ： 2024シーズン • Jリーグ • review • ペア＝マティアス・へグモ • 島崎英純 • 浦和レッズ • 県立カシマサッカースタジアム • 鹿島アントラーズ

©Yuichiro Okinaga

守備に傾倒も…

浦和レッズはチーム編成面において、特にアウェー戦で一つの指針が生まれつつある。前節のサガン鳥栖戦からは退場による出場停止処分の西川周作に代わって牲川歩見がJリーグ初先発してゴールマウスに立ち、最前線の1トップには二田理央に代わって負傷明けのブライアン・リンセンがスターティングに名を連ねた。その他のメンバーは不動だったわけだが、この意図を推察すると、ペア＝マティアス・ヘグモ監督はまず守備面の安定性を専権事項として編成を行ったように思える。右WGの大久保智明と左WGの関根貴大は共にマチェイ・スコルジャ監督前体制時にサイドMFとしてプレーしていて、4-5-1のディフェンスブロック構築において貢献度が高い選手たちだった。今節対戦する鹿島アントラーズは両サイドバックのオーバーラップが特徴的なチームスタイルを有しており、特に右SBを務める濃野公人の攻撃力を全面に押し出す。そこでヘグモ監督は関根に濃野の監視役を託し、このサイドでの鹿島のストロングポイントを抑止しようと目論んだのではないか。

また、ここ最近の試合で大久保が本来のコンディションを戻しつつある点も考慮されたと思われる。守備面の献身性を兼ね備えつつ、自陣からのドリブル打開でビルドアップの出口になれる大久保は堅牢な鹿島ディフェンスを切り崩すキープレーヤーになると目されたからだ。”マジックプレーヤー”である中島翔哉の先発起用も当然考慮すべきだが、鹿島が前半からスパークして後半に勢いを減退させる今季のプレー傾向を鑑みれば、序盤は守備重視、中盤から終盤以降に決定的なジョーカー投入の流れのほうが勝機を掴めると判断したのではないだろうか。

【2024Jリーグ第27節／鹿島アントラーズvs浦和レッズ・スターティングメンバー】

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