【島崎英純】2024Jリーグ第2節/浦和レッズvs東京ヴェルディ1969・試合レビュー『誤解され、硬直するジレンマ。理想とは程遠いドロー』

©Yuichiro Okinaga

問題視されたポジション

『ポジション定位』に固定概念があるように感じる。

東京ヴェルディ1969とのJリーグ第2節では、今季開幕戦のサンフレッチェ広島戦で後方ビルドアップが閉塞した浦和レッズの変化に着目していた。ホーム・埼玉スタジアム2002のゲームでは当然アグレッシブさを全面に押し出していくと思われ、4-4-2でディフェンスブロックを築く東京Vを前にして能動的なアクションが次々に見られると期待していた。

試合序盤から浦和が最前線でそれほどプレスワークを仕掛けなかったのは自然な流れだったように思う。そもそもペア=マティアス・ヘグモ監督体制のチームは沖縄キャンプを通じてハイライン、ハイプレスを誇示するようなスタイルを標榜しておらず、ディフェンスブロックをミドルゾーンに設定する中庸な守備組織が基本形だった。もしも浦和がホーム開幕戦で猛然と相手に前線プレス&チェイスを仕掛けていたら、それこそ今季のチームコンセプトが崩れてしまう。その意味において、課題と修正点が満載だった広島戦を経ても今チームの指針は揺らいでいないと感じた。

攻撃に関しては広島戦の課題を解消しようとするアクションが幾つか見られた。GK西川周作とセンターバック(CB)のアレキサンダー・ショルツ&マリウス・ホイブラーテンの計3人が後方起点役になる形は同様として、アンカー(DH)のサミュエル・グスタフソンが相手2トップの背後にポジションを取りつつ、時折サイドエリアへ立ち位置を移したりしてパスレシーブする挙動は前節から変化した点だった。敵将の城福浩監督も浦和の変化について、このように語っている。

「我々の認識では、(浦和の)開幕戦と今日の違いは、グスタフソンがおそらく動いている。ボールを受ける意識ははるかに変わったと思います。アンカーのところに立っていてもボールを受けられないということは、おそらく感じたと思いますし、彼が受ける前の動きも含めてかなり運動量が増えたので、捕まえるのは簡単ではなかったです」

ミドルゾーンで構えるグスタフソンへボールが入ったときの浦和のパスワークはスムーズで、ここからインサイドハーフ(IH)やウイング(WG)へボールが渡るルーティンには迫力があった。また、サイドバック(SB)のオーバーラップも今回は若干仕掛けが速かったように思う。特に左SBの渡邊凌磨は特性を生かして味方IHやWGと近接して前進する構えを見せ、左エリアでの攻撃構築に新たな選択肢をもたらしていたと思う。ただし右エリアに関してはWG関根貴大、IH伊藤敦樹、SB酒井宏樹のトライアングルが適切に機能せず、広島戦と同様に激しくノックダウンした。

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