【コラム】歴史は紡がれる。浦和レッズvsアイントラハト・フランクフルトの雑感と、岩尾憲・完全移籍の報に触れて

©Takehiko Noguchi

『ブンデスリーガジャパンツアー2022 powered by スカパーJSAT さいたまシティカップ』、Jリーグの浦和レッズとドイツ・ブンデスリーガのアイントラハト・フランクフルト(市名との混同を避けるため、アイントラハトと表記)との一戦は4-2で浦和が勝利し、これをもって2022シーズンの浦和は来年2月のAFCチャンピオンズリーグ決勝を残して今年の活動が終了した。

浦和とアイントラハトとのゲームはドイツ国内でも有料放送のSkyDAZNでライブ中継された(日本からの映像配信トラブルで試合開始から約10分間、映像が途絶えてしまったアクシデントもあったが…)。

浦和、アイントラハトは共にベストメンバーが組まれたわけではなかったが、それぞれの選手たちは十分に持ち味を発揮していたと思うし、それをチーム戦術にも落とし込めていたように思う。

例えばアイントラハトはカタールワールドカップに出場する各国代表への選出で6人の主力選手が来日せず、日本入りしていたFWランダル・コロ・ムアニは浦和戦当日にフランス代表に追加招集されて急遽カタールへ向かった。先発に名を連ねたGKディアント・ラマイ、DFジェローム・オンゲネ、MFメーディ・ロウネ、は今季公式戦に出場しておらず、15歳のDFデレク・ボアキエ=オセイ、19歳のMFハーブリート・ゴートラのふたりはトップチーム登録されていない選手だった。これらの選手たちは筆者自身も初めてプレーを観たわけだが、各々が備え持つポテンシャルを垣間見ることができたのは有意義だった。

一方の浦和も前半の陣容は今季のリーグ戦で必ずしも主力だった選手たちを中心に構成されていなかった。それでもGK牲川歩見が落ち着いた挙動で相手の攻撃をシャットアウトし、右サイドバックの宮本優太が躍動感のある攻め上がりを見せ、ボランチの安居海渡が重厚なプレーで中盤を締めた所作には頼もしさがあった。他にも平野佑一が相変わらずの巧みなパスワークで味方を生かし、アレックス・シャルク、松崎快、江坂任、キャスパー・ユンカーのアタッカー陣がスピーディな仕掛けで相手ゴール前へ殺到する勢いには迫力があった。

(残り 2287文字/全文: 3264文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

1 2
« 次の記事
前の記事 »