策を弄するも完敗。認識すべき自らの現在地【島崎英純】2022Jリーグ第33節/横浜F・マリノスvs浦和レッズ・試合レビュー

©Takehiko Noguchi

相手ばかりを見ている

リカルド・ロドリゲス監督が前日会見で明かしていた通り、コンディションに問題を抱えるFWブライアン・リンセンはベンチ入りしなかった。また、2週間のインターバルの間に実施された流通経済大学とのトレーニングマッチで2得点していたダヴィド・モーベルグの姿も無かった。シーズン終盤の浦和レッズは常に誰かがコンディションを落とし、その都度チームの再編成を強いられてきた。

しかし、現有戦力の中で今節の横浜F・マリノス戦に向けた戦力は整えられていたとも思う。基本システムは4-2-3-1だったが当然のように攻守において可変する。便宜上のキックオフ時のセットは、GK西川周作。4バックは右から酒井宏樹、岩波拓也、アレクサンダー・ショルツ、大畑歩夢のセット。ダブルボランチは伊藤敦樹と岩尾憲のコンビで、右MFに大久保智明、左MFに松尾佑介が配され、トップ下に江坂任、1トップにキャスパー・ユンカーが配備された。

ユンカー&江坂のユニットはハイラインを敷く横浜FMバックラインの背後を突くのに最適なユニットだ。後方に控える西川、岩波、岩尾らのフィード力は申し分なく、横浜FMが前傾姿勢を取れば取るほど浦和にも好機が生む流れに持ち込む姿勢が顕著に感じられた。実際に試合が始まってからの浦和の挙動にはその意思が明確に表れていたし、横浜FMも試合直後からの流れを鑑みてそれなりの警戒を払ったように思われる。

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