鮮やかなリカバリー。C大阪攻略の道筋は見えた!【島崎英純】2022YBCルヴァンカップ・プライムステージ準決勝第1戦/セレッソ大阪vs浦和レッズ・試合レビュー

©Takehiko Noguchi

苦戦した前半

 試行錯誤のチーム編成が続く。今回のYBCルヴァンカップ・プライムステージ準決勝のセレッソ大阪とのホーム&アウェーは今年中に浦和レッズが獲得できる可能性のある唯一の大会である。必然的にチームは必勝を期しており、リカルド・ロドリゲス監督もベストメンバーをピッチへ送り出したかったはずである。しかし、6月のシーズン中断明けから8月下旬のAFCチャンピオンズリーグ・ノックアウトステージに掛けてまで編成されてきた主力メンバーの何人かがコンディションを落とし、また各年代の日本代表へ選出されて一時的にチームを離脱している選手がいる中で、ロドリゲス監督は苦渋の決断を迫られていた。

GKの西川周作は現状の純然たる正守護神で、センターバックの岩波拓也とアレクサンダー・ショルツも安定感あるコンビだ。一方で酒井宏樹が日本代表、大畑歩夢がU-21日本代表へ招集されたことで手薄になったサイドバックは右に関根貴大、左に明本考浩という布陣となった。また、ダブルボランチは岩尾憲と伊藤敦樹という鉄板コンビが形成され、攻撃陣のユニットは右にダヴィド・モーベルグ、左に大久保智明、そして2トップ気味に小泉佳穂と松尾佑介という、一見すると現状のベストとも思われる布陣が敷かれたが、前半に限ってはその実効性は高まらなかった。

モーベルグはここ数戦プレーの切れ味がなく、松尾は前節の湘南ベルマーレ戦でベンチ入りもしなかったため、やはりコンディション面で不安があった。案の定、松尾は前線からのプレスワークでは効果的なプレーを実行したが、攻撃時の縦への推進力や周囲とのコンビネーションの質が高まらず、彼本来のプレーレベルを維持できていないように思われた。

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