気迫なく、重い敗戦。猛省すべき天皇杯早期敗退【島崎英純】2022天皇杯3回戦・ザスパクサツ群馬戦レビュー

©Takehiko Noguchi

浦和レッズのスターティングメンバーが4日前の名古屋グランパス戦と全く同じだったのは意外だった。リカルド・ロドリゲス監督が名古屋戦のゲーム内容を高く評価した可能性が高く、約3週間のインターバル期間を経たことで各選手のコンディションが良好と判断したうえで、この陣容のプレー感覚と連係、連動精度を磨きたい意図があったのかもしれない。名古屋戦では相手陣内アタックキングサード付近でのコンビネーションが高質だったし、多岐に渡るリスタートプレー・バリエーションから2ゴールを挙げた事実もある。また、ボールを逸した直後の即時奪回ディフェンスも効果的に作用するなど、守備面の向上も見られた。この先発メンバーの中で今季から浦和でプレーしているのは左右両サイドバックの宮本優太&大畑歩夢、そしてボランチの岩尾憲の計3人だった点も興味深い。特にセンターラインはロドリゲス監督が徳島ヴォルティスを指揮していた時代の懐刀である岩尾に加え、GK西川周作、MF伊藤敦樹、トップ下・江坂任、1トップ・明本考浩と、昨季からチームの中軸に据えられてきた選手たちが並んでいた。多くの選手が入れ替わり、シーズン中にも外国人選手を迎え入れた浦和は厳しいスケジュールの中でチーム熟成が進まずに結果をも得られないでいた中で、半ば原点回帰するように固定化の動きが見られる点にロドリゲス監督の狙いがうかがえる。

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